名刺管理サービス導入時に確認必須な公開範囲や共有設定、連携サービスの必要性とは

デジタルな名刺管理をする大きなメリットのひとつは、社内で情報を共有でき、業務の効率化を図れること。

ところが、便利なはずの名刺管理サービスにも注意すべき点があるのをご存じでしょうか。

確認を怠ると「知られたくない情報まで公開されてしまっている」「知らない人にまで自分の情報が共有されている」などということが起こりかねません。

そこで、デジタルな名刺管理サービスを利用する際の注意点についてお伝えします。ポイントを抑えておけば、安心して便利な機能を使いこなせますよ。

プロフィールの公開範囲をチェックしよう

利用する名刺サービスによって内容は違いますが、利用し始めたら、まずチェックしておきたい設定があります。プロフィールの公開範囲や閲覧権限、サービスの使用権限の必要な項目などです。詳しく見ていきましょう。

プロフィールの公開範囲とは
名刺管理サービスを活用すると、チームで名刺情報の共有ができます。名刺管理サービスは社内で名刺情報を共有して業務効率化を図るために導入されることが多く、自分のアカウントのプロフィールは、社内の人間と同じサービスを使用している名刺交換をした企業のみと思いがちです。

ところが名刺管理サービスによって、プロフィールの共有範囲が広くなることがあります。

例えば、設定次第では「サービスを使用していない人も閲覧可能」「同じサービスを使っている人すべて閲覧可能」な状態にもできるので、限られた相手にのみ情報を公開したい場合には名刺管理サービスの公開設定をしっかり確認しましょう。

「サービスを使用していない人も閲覧可能」に設定していると、自身の名刺画像、名前、会社名、役職名、設定によってはメールアドレスなどの個人情報がインターネット上で誰でも閲覧できる状態になります。

仕事上のプロフィールを誰から見られても支障ないと考えている人は良いのですが、「自分のプロフィールを誰からも見られる状態なのは避けたい」と考える人は、公開範囲の設定を変える必要があります。

名刺管理サービスによって公開範囲の設定は違うので、自分が使っているサービスではどうなっているのか確認しておくと良いでしょう。

閲覧権限、使用権限の設定とは
利用する名刺管理サービスによって違いはありますが、企業で名刺管理サービスを利用する場合、社内の管理者はユーザーの権限を設定することができます。

これは、ユーザー全員が設定変更が可能な状態であることで誤削除などのトラブルの発生や急な設定変更にいる社員の混乱を避けるためのものでもあり、基本の設定変更ができるのは管理者のみ、その他のユーザーは共有された範囲で名刺を扱うことはできても設定の変更はできないようになっていることが多いです。

またユーザーごとに、管理者から任意の権限を与えられることもあります。

名刺管理で共有する情報を、社内全体ではなく携わる案件ごとに分けられたチームだけが閲覧できる権限を設定することも可能です。

閲覧権限の設定では、特定の名刺情報を社内全体に公開か、限られたメンバーのみに公開かの設定が可能です。

社内で名刺情報の共有を始めたものの、役職者の管理する名刺やプロジェクトによって全社員に共有したくない名刺がある場合は閲覧権限の設定を必ずしていきましょう。全社員に公開する場合、正社員・契約社員・派遣社員・アルバイトと立場を問わず閲覧できる状態なので、社員数の多い企業には必須の設定と言えます。

共有できる上限人数は決まっている?

名刺管理サービスで、名刺の情報を共有できる人数制限があるのかは気になるところ。利用し始めた当初は少人数であっても、企業の規模が大きくなっていくこともあるでしょう。

人数制限がない場合、課金制に注意
結論からいうと、名刺管理サービスでは情報共有の人数の制限がないことが多いです。ただし、サービスによっては共有人数に上限はないが、共有人数を増やすごとに課金が必要なタイプもあるので注意が必要です。

制限も課金もないサービスもあるので、利用したい名刺管理サービスの料金体系をチェックして自社にマッチするかを検討し、ニーズに合うサービスを導入するようにしましょう。

共有メンバーや登録枚数が多い場合に利用したいサービス
共有するメンバーや登録枚数が多くなってくると、一人一人が名刺の登録を行うことに統率が取れなくなってくることがあります。

名刺登録をマニュアル化すればいいとはいえ、社員が名刺の登録に手間取り、時間を割くことになるのは避けたほうが良いため、名刺の登録については、オペレーターが入力してくれるサービスを利用する方法がおすすめです。

名刺管理サービスごとに対応は変わりますが、まとめて名刺を送るだけでオペレーターが入力してテキストデータ化してくれるサービスもあります。OCRによる認識だけだと読み込み間違いが起こるので、オペレーターの確認が入るのは正確な情報を管理するためには欠かせないことです。

連携している機能を使いこなそう

名刺管理サービスによって、連携機能が変わってきますが、便利そうな機能よりも実際の業務に必要な機能が連携されている名刺管理サービスを利用することが、効率アップの鍵です。まずは利用しているサービスが連携している機能を知ることが必要になります。

では、連携している機能にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

Webサービス
クラウドベースのCRM(顧客管理システム)SalesforceやZoho CRMと連携できる名刺管理サービスがあります。名刺管理と同時に顧客管理もできるので、見込み客へのアプローチもスピーディーにでき、業務の効率はぐんと向上するでしょう。

また地図アプリやカーナビアプリと連携している名刺管理サービスでは、顧客の住所から地図を表示。毎回住所をマップアプリで確認する時間や、道に迷う無駄な時間を無くすことができます。

電話帳
名刺管理サービスが電話帳と連携していると、電話をするたび名刺にある相手の情報が確認できるので便利です。情報が確認できることによって、スムーズな対応ができ、ビジネスへつなげる可能性を広げます。

SNS
SNSと連携している名刺管理サービスは、共有メンバー以外の情報もチェックできるので便利です。実際に名刺交換をしなくても、SNSのつながりからお互いの情報を交換することもできますし、メールアドレスから名刺交換リクエストをして名刺情報の交換が可能なものもあるので、薄いつながりから新しいビジネスパートナーに発展させることもできます。

ただ、漏らしたくない相手に情報を見られてしまうというデメリットもあるため、機密性を重視する場合は注意しなければいけない機能になるでしょう。

SNSと連携しているサービスであっても、連携させるかどうかは変更できるようになっているので、設定で確認が必要です。

仕事上のプロフィールをSNSで知られたくないという人がいる一方で、今後、SNSを通したビジネス展開が増えていくのかは未知数。時代に乗り遅れず、チャンスをつかみ損ねず、確実に次につなげていくというビジネスパーソンでありたいものです。

共有する名刺の情報を最大限に有効活用しよう

名刺管理サービスを利用してデジタルな名刺管理を行えば、社内で顧客情報や見込み顧客情報の共有が可能になります。

共有している情報を新たなビジネス展開のために利用しなければ意味がありませんが、そもそも共有範囲や共有人数の把握、連携している機能を理解していないと、せっかく情報を共有していても有効活用することができませんし、トラブルの原因となります。

前述で説明した通り、名刺管理ソフトのサービス内容や他システムとの連携は一様ではないため、導入にはサービスが提供している機能を理解し社内でどう活用するのかを整備、そして同時に注意点の把握が大切です。

知らないうちに自分のプロフィールが漏れていたということがあってはいけませんし、また便利そうな機能がサービス内容にあっても、利用する予定がないというのであれば、実際の業務に使用する機能を重視したシンプルなサービスの導入を検討したほうが良いでしょう。

導入したサービスをいかに有効活用してビジネス展開に役立てていけるかは、ユーザーの手腕にかかっています。新しいサービスの導入時には、自社のビジネスに合致するサービスを見極め、リスク管理として注意すべきところの確認を怠らず、サービス内容を理解して最大限に活かしていくことが大事です。