名刺管理サービスの導入をするならCRMとの連携で企業力の底上げを

  • 2020年10月1日
  • 2022年6月21日
  • CRM

様々な情報がデジタルで管理され業務効率化が求められる昨今、名刺も例外ではなく名刺管理サービスを利用し業務効率化を図る企業も増えてきました。

名刺をデジタルで管理すると検索がしやすかったり、社内での共有がしやすかったりと業務の効率化に役立ちます。

名刺管理サービス各社では、名刺管理とは別に他のサービスと名刺情報を連携させる機能を搭載している場合が多いのですが、そのひとつである「CRM」と呼ばれる機能は業務効率化や企業の営業力の底上げに直結する可能性を秘めている機能です。

今回はそんなCRMについて、機能や使い方、名刺管理システムとの違い、CRM利用によるメリットを紹介していきます。

そもそもCRMとは?名刺管理との違いは?

CRMはCustomer Relationship Management(カスタマーリレーションシップマネージメント)の略で、顧客情報を管理するためのシステムのことです。

顧客の名前や連絡先はもちろん、その顧客との取引情報などの細かい情報が管理できます。

CRMは名刺情報をデータ化して管理する名刺管理システムとは違い、顧客の名刺情報を記録するだけでなく、顧客への販売履歴や問い合わせ履歴を蓄積していき、アプローチに最適なタイミングを分析したり、DMの自動送信をしたりと、マーケティング活動に利用できるのが特徴です。

CRMの効果的な使い方

前述の通り、CRM自体は名刺管理とは別のシステムですが、名刺管理システムと連携させることで保有している名刺をベースに良質なリストを作成できます。

従来の顧客管理方法では、顧客リストに記載されている情報以外は担当者しか把握していないことも多いのではないでしょうか。CRMの運用では、今まで担当者だけが握っていた情報も社内で共有でき「企業の資産」に変換できるのです。

そして、上記の顧客情報に名刺交換していない「過去に問い合わせのあった企業」や「取り引きはないが見込みが高いと判断した企業」を追加し、その情報全てを「見込み顧客」として管理できます。

大まかな使用方法は、保有する名刺を名刺管理サービスで管理し、CRM連携で顧客リストに反映します。顧客リストにある企業への販売実績や提案状況、新たに見込みが高いと判断した企業の情報を追加していき、その蓄積した顧客情報を分析しマーケティング活動に利用していくという流れになります。

顧客情報には、顧客の企業情報の他にも顧客がどういった志向やニーズを持っているか、打ち合わせ時にヒアリングした内容も追加していくと良いでしょう。

ヒアリング内容の中で、サービス利用歴の有無や経緯、他社サービスの利用歴を記載していくことで、次回の提案や、今後同じような企業へ自社サービスを売り込む際に活かせるデータとなります。

そして取引先からのクレームがあった場合、すぐに取引先のデータを引き出し、取引実績や経緯を確認できれば、迅速に対応でき信用低下による損失も抑えられ、クレーム内容を残すことで再発防止にも繋がります。

顧客管理機能の利用メリット

では、CRMの導入で得られるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。順を追って機能を紹介していきます。

・複数の端末で同時に管理できる

顧客情報をエクセルなどで管理すると、複数人が同時に操作してデータの競合が発生、その結果入力内容の消失やエラーが起きるリスクがあります。

しかしCRMツールを使用すれば複数人での同時入力も可能。そしてスマホやタブレット、PCなど、どの端末を使用しても最新の情報にアクセスできるため最新の顧客情報を容易に共有できます。

・顧客対応の履歴を蓄積できる

営業の進捗や顧客満足度の肌感覚など、担当者しか得られない情報を社内で共有することで、それらの情報を企業の資産として蓄積できます。

これによって担当変更に伴う業務引継ぎもスムーズになるでしょう。

そして営業業務以外でも、担当者が受けた質問や問い合わせ内容、クレーム情報を元に自社のQ&Aを充実させたり、サービス改善に役立てたりと顧客満足度を上げるためにも使用できます。

・データの重複チェックができる

既にデータ上にある顧客が重複して登録されていないかチェックを入れてくれる機能を搭載しているサービスもあります。

データ上で企業が重複して存在している状態では、顧客情報が2つのデータに分けて入力されてしまい、情報を時系列に沿って確認する時に抜け漏れが発生してしまう可能性があります。

顧客情報を追加していく際、膨大な量の見込み顧客を保有しているとどうしても重複ミスが起こりやすくなるでしょう。

エクセルでは関数を使用し重複チェックをする他ないのですが、CRMツールの重複チェック機能があれば自動で確認できるので登録前に重複を防げます。

顧客分析に関する機能の利用メリット

データの管理や企業情報の検索ができるだけではExcelで管理するのとさほど変わりありませんが、分析機能や後に紹介する顧客維持機能を利用することでCRMの力を最大限発揮できます。

・RFM分析などの多角的な分析機能

RMF分析は3つの指標から顧客をランク分けする分析のことです。

Recency(直近の購入日)
Frequency(利用頻度)
Monetary(利用金額の大きさ)

この3つの情報をかけ合わせてランク付けしていくことができます。

こういった分析結果を元に顧客の傾向を把握し、どの手法でマーケティングをしていくかの指針決めに役立てます。

・見込み顧客の抽出

蓄積されているデータから、RFM分析を含む複雑な条件設定に対応した顧客抽出機能が利用できます。

ただのデータでしかない状態からニーズや業種などで絞り込み、売り込みたいサービスの潜在顧客を抽出できるのです。

自社の見込み顧客リストに企業名があるからといって、全ての企業が自社のサービスを常に求めているわけではありません。

売り込むターゲットを絞ることで、サービスを求めていない相手へのDM送付や電話でのセールスをすることがなくなり、必要な人に正しいアプローチをすることで結果的に顧客満足度の上昇に繋がり、営業力の底上げにも繋がります。

顧客関係維持機能の利用

顧客との関係を維持していくにはプロモーションなどの機能を利用すると良いでしょう。

具体的にどういった機能が利用できるのか紹介していきます。

・問い合わせフォームの自動生成

顧客が問い合わせをしやすい環境を提供してくれます。

問い合わせの情報はもちろんそのままデータ化し管理されるので、新規見込み客として追加され、顧客情報も増えていきます。

問い合わせがしやすい環境にあることで、顧客の声に耳を傾ける機会が増えれば、サービス資料の改善やサービスそのものの見直しなどで企業も成長することでしょう。

・メール自動配信機能

CRMを利用することで、顧客のメールアドレスを入力する必要はなくなります。

新商品の宣伝メールなども前述した分析機能と合わせて特定のターゲットにのみ送付できます。

さらにクレームや不具合報告が来た際のお詫びメールなども事前にテンプレートを用意しておくことで自動で返信する機能もあります。

こうした機能を利用していくことで、顧客が多い企業ほど業務の簡素化が一気に進むでしょう。

CRM導入にデメリットはあるのか?

CRMを導入するデメリットというと、やはり費用面が挙がります。

保有する顧客情報が少ないほどメリットの享受が少なくなってしまうため、すぐに恩恵を受けることができず費用対効果が薄くなります。

デメリットである費用を抑えるには、クラウド型CRMサービスの導入を検討すると良いでしょう。最近では、データサーバーを自社に置くのではなくクラウド型にすることで初期費用を抑えられるサービスが多くあります。

そして、初期費用を抑えられるサービスの中には無料プランもあるため、本格的に導入する前に社内での仮運用も可能です。

CRMの機能面だけで比べると、アナログやExcelでの管理と比べて不便な部分はほとんどありません。アナログな管理方法から移行する時には、使い方に慣れず多少時間もかかりますが、正しく運用すればメリットの方が多いのは明らかです。

業務効率化の波に乗り、名刺管理サービスの導入を検討している場合や、既に導入している場合は連携機能をチェックしてみてください。

名刺管理サービスで営業部隊の業務効率化を図るなら、CRMの運用で自社の顧客情報をアップグレードし、企業力や営業力の底上げにも着手してみてはいかがでしょう。