名刺データを営業・マーケティングに、マーケティングオートメーション活用のためのノウハウ

  • 2021年1月19日
  • 2022年2月16日
  • 名刺

名刺交換で顧客データを集めても、営業やマーケティングに活用しないのでは、宝の持ち腐れになってしまいます。

近年、営業活動を効率化するためのマーケティングオートメーション(Marketing Automation、MA)を導入する企業が増えてきました。

従来は顧客データを元に人力で分析をし、フォローのメールを送ったり電話をしたりという業務を行ってきました。しかし売上につながる業務をすべて人力に頼っていたのでは、膨大な労力や時間、コストがかかります。

マーケティングオートメーションを活用することで、労力を削減、営業の無駄をなくし、顧客に最適なタイミングでアプローチすることが可能になります。

今回は名刺データを営業・マーケティングに活かすマーケティングオートメーションのノウハウについて解説します。

マーケティングオートメーションの定義

マーケティングオートメーションとは、従来マーケティング部門が人力で行っていたマーケティング業務を自動化することです。マーケティングオートメーションを導入することで、見込み客や顧客のニーズを可視化し、営業の業務を効率化、収益アップへとつなげていきます。
必要な理由
情報社会である現代は、個々が関心を持った情報を自力で入手することができるようになりました。

以前は、特にその商材に興味を持っていない顧客や見込み客のところに情報を送る、または営業パーソンが訪ねていき、商材の説明をして関心を持ってもらい売上につなげるというスタイルが一般的でした。

しかし自力で情報を入手できる現代社会では、顧客や見込み客自らがその商材に興味を持ったタイミングでアプローチをすることが有効な手段となっています。

逆にいうと、興味を持っていない顧客や見込み客にアプローチすることよりも、顧客や見込み客自らに「その商材を選んでもらうように導く」ことが重要なのです。

ニーズが発生したタイミングを知るために、人力で行うよりも効率的なマーケティングオートメーションを活用することが必須となります。
BtoC・BtoBの違い
BtoC(Business to Consumer)は、企業が個人に行うマーケティング、BtoB(Business to Business)は企業が企業に対して行うマーケティングです。

個人と企業に対して購買を勧める商材が全く同じということは少ないですが、両者へのマーケティングの仕方にも違いがあります。

BtoCでは、マーケティングを行うターゲットが購買決定者であることが多く、BtoBではターゲットと購買決定者が異なることが多いでしょう。またBtoCでは、商材に興味を持ってから購買するまでの期間が短く、BtoBでは購買まで検討を重ねることが多いため実際の購買までの期間が長くなる傾向があります。

BtoCマーケティングでは個人の満足度を上げることが大切であり、BtoBマーケティングでは企業としての満足度・収益性を上げることが重要になります。またBtoBでは、商談に至ってからの合理的な説明もポイントになるので、充分に準備しておくことが必要です。

マーケティングオートメーション機能

では実際にマーケティングオートメーションを導入すると、何ができるのかを見ていきましょう。大きく分けるとマーケティングオートメーションで実施することは、獲得したリード(見込み客)からの情報収集、情報の分析、リードを顧客に育成すること(ナーチャリング)です。
獲得したリードからの情報
名刺交換やイベント開催、またはWebサイトからの問い合わせで獲得したリードの情報は、リスト管理して活用していきましょう。

今まで蓄積してきた名刺や開催したイベントで獲得した名刺はリストにして、分析材料にします。名刺交換をしただけの顧客と後に大きな取引をすることになるかもしれないので、こぼさず管理することが収益アップにつなげるポイントになるのです。
情報の分類
リードの情報は、営業の効率化のために分析して優先度を定める必要があります。

この場合のリードの情報とは、配信したメールに対するリアクションやWebサイト閲覧履歴、問い合わせ内容、イベント参加履歴、商談内容などです。

従来の方法では、テレフォンアポインターが作成した顧客リストの上から順に電話をかけていくものでした。しかし労力がかかる上に、アポイントメントも取りづらいこのような方法は全く効率的ではありません。

例えば配信したメールマガジンのリンクから自社Webサイトを何度か閲覧しているリードと、メールの開封すらしていないリードとでは、前者を優先する必要があるでしょう。

リードの購買意欲を評価し、アプローチの優先順位を定めることをリードスコアリングと呼び、これを元にリードにアプローチすることで成果につながりやすく、同時に営業パーソンのストレスも軽くすることができます。
ナーチャリング
リードの購買意欲を高め、顧客に育成するナーチャリングでは、イベントの開催、資料の請求などの傾向、またWebサイトのどの商材を何度閲覧したかなどでリードのニーズを分析。適切なタイミングでメールを配信したり、イベントの招待状を送付したりします。

従来は人力で作成してきたリード一人ひとりに合わせたOne to Oneコミュニケーション実践までの経路は、マーケティングオートメーションを導入すれば、自動で行うことができます。

すぐに反応がない理由で購買意欲がないと判断されがちなリードの存在をこぼさず、購買に結び付けるようナーチャリングすることも収益アップのためには欠かせません。

マーケティングオートメーションを収益化につなげるには

昨今のビジネスシーンでは、名刺管理サービス、CRM、SFA、そしてマーケティングオートメーションなど、業務を効率化できるシステムが活用されています。

しかし勘違いしてはならないのは、これらの優れたシステムを導入すればすぐに収益アップにつながるわけではないということです。

あくまでもシステムを活用するのは人間なので、使い方は工夫する必要があります。実際、システムを導入したものの、上手に活用できていないというケースも見受けられるのだそう。

そこでマーケティングオートメーションを収益化につなげる提案をお伝えします。
まずは名刺リスト作成から
最初に正確なリードのリストを作成することが、マーケティングオートメーションを成功させる秘訣です。

多機能のマーケティングオートメーションシステムを導入する前に、リードのリスト作成に溜まっている名刺をテキストデータ化することから始めてはいかがでしょうか。

名刺交換で獲得した大量の名刺は宝の山です。しかし紙の名刺のままコレクションしていたのでは、有効活用ができません。

テキストデータ化し、社内やチームで情報交換してこそ、名刺の情報を収益化につなげていくことができるのです。

大量の名刺をテキストデータ化するために名刺管理サービスを利用すれば、リードのリストが作成でき、同時に社内で共有することができ、簡易的なマーケティングオートメーションを実施することが可能になります。

名刺管理サービスによってはメール配信もできるので、いきなり多機能のシステムを導入しても使いこなせる自信がないという場合には、まずは名刺管理サービス導入の検討をしてみるのも良いでしょう。
CRMでマーケティングオートメーションを実行
顧客の満足度向上のために活用されるCRMは、日本語でいうと顧客関係管理です。

顧客の動きを分析して、どのようなニーズを持っているかを一括で管理することにより、顧客の満足度を向上させる対応を実現します。

世界的なシェアを誇るZoho CRMは、営業の業務を効率化するSFA(営業支援システム)も備えており、またマーケティングオートメーションとしても活用が可能。自社の業務内容によって画面をカスタマイズできるところも人気です。

名刺管理サービスの導入から始めて、使いやすくカスタマイズできるZoho CRMを導入すれば、顧客満足度を上げると同時に、マーケティングオートメーションを実践し、収益アップにつなげていくことができるでしょう。

名刺データを収益アップにつなげる

人力に頼ってきた顧客の分析やナーチャリングは、マーケティングオートメーションによって自動で行えるようになりました。

マーケティングオートメーションの導入により、膨大な労力やコストの削減、適切なタイミングでのアプローチが可能になります。

しかし、複雑なシステムを使いこなせる人材不足のケースも見受けられるそう。

目的は難しいシステムを使いこなすことではなく、自社の収益アップであることを忘れてはいけません。

有効な方法は、負担がかからないリスト作成から始めて、少しずつ多機能のシステムに慣れ、活用できるようにすることです。

そのために、まずは営業の成果である名刺リストを活用することから始めてみてはいかがでしょうか。