新型コロナウイルスの世界的な流行により、私たちの生活様式は新しいものへと変化しました。
それはビジネスの領域にも大きな影響を与えており、仕事をする上での新たな常識が生まれつつあります。
例えば、名刺交換を対面でする際にはマスクの着用と手指の消毒が必要となりましたし、オンライン名刺ツールを使ったデジタルな名刺交換も普及し始めました。
コロナ禍ではいままでに無いビジネスのマナーが発生しており、これらの対応についてどうしたら良いのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
そんな方のために今回の記事では、コロナ禍で生まれた新たなビジネスマナーとその対処法についてご紹介していきます。
コロナ禍の新しいビジネスマナーについて不安だと言う方は必見ですので、ぜひ最後までご覧ください。
コロナで変わった?対面営業の新マナーは?
コロナ禍によって対面での営業マナーは大きな変化を遂げています。
対面での営業はとにもかくにも感染対策を徹底することが重要です。もし仮に取引先に訪問したことがきっかけでコロナ感染者が出た場合には、相手の企業や自社を休業させることとなってしまいます。
そんな取り返しのつかない悲劇を起こさないためにも、対面営業する場合の新しいマナーについてここで確認していきましょう。
●訪問アポイントの注意点
会社によってコロナ対応の考え方はさまざまです。
中には外部からの訪問は一切受け入れていないという会社があれば、マスクをしてれば対面でも問題ないと考える会社もあります。
地域によって感染状況も異なりますので、同じ都道府県の中でもコロナ対応のレベルや意識が違うことも少なくないでしょう。
そのため、会社訪問をするときはアポイントの際にコロナ対策に関する意向を確認するようにしましょう。
●会社を訪問する際のマナー
会社訪問する前には自身の体調を確認しましょう。少しでも体調に違和感が合った場合は、訪問を控えた方が得策です。
また、訪問時にはマスクの着用が必須です。会社の受付に消毒液と検温器が設置することも一般化していますので、用意されていれば使うようにしましょう。
他社に訪問する時だけでなく、自社での来客対応もこのように準備しておくこともおすすめします。
●マスクの色や素材は?
マスクの色は白を選べば間違いはありません。
色付きであればスーツに馴染む薄いグレーやベージュなど、派手過ぎない色なら問題はないでしょう。
派手過ぎなければ柄付きのものや、会社のロゴ入りのマスクもいいでしょう。マスクはすでに常識となっていますので、マスクの柄から雑談へと話題を膨らませることもできます。
マスクの素材は不織布や布、ウレタンなど素材はさまざまありますが、そこまで気にしなくても大丈夫です。きちんと鼻から顎がマスクで覆われていて、清潔であれば問題ありません。
●相手がマスクをしていない場合は?
相手がマスクをしていない場合は、臨機応変に対応しましょう。
お互いに体調に異変が無い、密な環境にいない、感染が落ち着いている地域であるなど、感染リスクが低いと判断できる場合はマスクを外しても良いでしょう。
感染リスクが高い場合や、自分が安心できない場合はマスクを付けたままにするべきです。
このような場合は「このようなご時世ですのでマスクのまま失礼します。」「会社からマスクは外すなと言われておりまして。」などと断りを入れるようにしましょう。
相手がうっかりマスクを忘れているだけの場合もありますので、そのためにもひと言マスクについて言及しておくことをおすすめします。
●名刺交換のときはマスクを外すべき?
たとえ名刺交換のときでもマスクを外す必要はありません。
繰り返しになりますが、コロナ禍においてマスクは常識です。そのため「名刺交換をするのだから顔を見せないのは失礼だ」というような考えは不要です。
それを踏まえた上で相手の顔を見たい、もしくはマスクを取った顔を見たいと相手から言われたのであれば、お互いの合意の上で顔を見せあっても良いでしょう。
オンライン会議の進行方法
オンライン会議は対面での会議とは違った環境で行われます。
オンラインならではの注意点や気遣いのポイントがありますので、ここではオンライン会議についてのマナーを会議の進行順に確認していきましょう。
●知っておきたい基本的なオンライン会議のマナー
オンライン会議では意外に見落としがちなマナーがいくつかあります。ここではオンライン会議で知っておくべき細かいマナーをいくつかご紹介します。
・カメラの角度は?どれくらい近さがいい?
カメラの近さは胸から上が写るくらいの距離で、角度はカメラの正面から顔が写るようにしましょう。
特にカメラの角度は相手からの印象に大きく影響を与えるので要注意です。
よくありがちな悪い例として、カメラを見下ろすような角度があります。カメラを見下ろす角度は上から目線で偉そうに相手の画面に映るので、これだけは避けた方がいいでしょう。
普通に椅子に座ってデスクに置いたパソコンのカメラを見ると、カメラを見下ろす角度になることがほとんどです。そのためオンライン会議をする場合は、パソコンの下に雑誌などを置いて高さを出す、高さのある棚の上にパソコンを置くなどの調節をしましょう。
・バーチャル背景は使ってもいい?
バーチャル背景とは、風景などの画像をオンライン会議の背景に使うことができる機能です。
バーチャル背景は白地やオフィスの風景など派手でないものであれば使ってもいいでしょう。外出先や自宅などからオンライン会議に参加する場合に、バーチャル背景は重宝します。
あまりに派手なバーチャル背景は会議に集中できなくなる恐れがあるので、ビジネスのシーンでは使わないようにしましょう。
・マイクのミュート機能はいつ使う?
オンライン会議ではマイクのミュート機能を頻繁に使うことをおすすめします。
具体的には、自分が発言しない場合にはマイクは基本的にミュートにしておくといいでしょう。
マイクがオンになっている場合は小さな雑音を拾って発言者の声を遮ることもありますし、通信状況によってはハウリング(音がぼやける)を引き起こすこともあります。
・イヤホンは必要?
オンライン会議では相手の声がはっきりと聞こえないという状況もよく起こります。
音声の聞き取りづらさを感じた場合はイヤホンを使いましょう。イヤホンであれば耳に直接音声が届きますので、発言の内容をしっかりと聞き取ることができます。
相手の話をしっかりと聞くこともマナーのひとつですので、オンライン会議の際にはイヤホンを用意しておくことをおすすめします。
●オンライン会議の事前連絡
オンライン会議の日程が決まったら、事前に参加者へメールで詳細を連絡しましょう。
連絡する内容の例は以下の通りです。
・議題
・参加者
・開始時間
・所要時間
・当日使う資料
・会議に参加するURL
オンライン会議は対面の会議と比べてコミュニケーションの質やスピードが劣ります。そのため事前に会議についての情報を共有し、円滑な会議を行うための準備をしましょう。
●オンライン会議の名刺交換はどうする?
オンライン会議では従来の対面方式での名刺交換ができません。
そのため、名刺交換の方法としては事前送付をする場合とオンライン会議の最中で行う場合が考えられます。
事前送付をする場合は、カメラでスキャンした名刺を画像データやPDFファイルに変換してメール送信する、または紙の名刺を郵送で送るなどの方法があります。
オンライン会議で行う場合には、名刺管理ツールを使った名刺交換が便利です。名刺管理ツールには自分の名刺をQRコードで表示する機能があるので、それを画面越しに読み取って貰うことで名刺交換を行うことができます。
QRコードを読み込むツールを持っていないという場合は、名刺データをURLに変換してメールなどで共有するということも可能です。
●会議室の立ち上げは早めに
当日はオンライン会議が始まる10~15分前くらいまでに会議室の立ち上げを終わらせておきましょう。
対面式の会議とは異なり、オンライン会議はパソコンの用意や場所の確保、ログイン、マイクテストなどの作業が必要です。
会議の開始時間までに接続状況を確認したい参加者や、会議が始まる前にアイスブレイクをしたいと考える参加者もいます。
そのためにもオンライン会議の準備は早めにすることを心がけましょう。
また、会議の冒頭では参加者全員に音声が聞こえているか、ボリュームは丁度いいかなどの確認もするようにしましょう。
●会議を終了するとき
会議を終了する際は、会議を終えることを明確に宣言するようにしましょう。
対面の会議では会議が終了すると、席を立つ、退席する、談笑が起こるなどとさまざまな終わりの合図を目にすることができます。しかし、オンライン会議の場合はこれらの合図が無いので、会議が終了した後の対応に戸惑うこともあります。
そのため、会議を終わらせるタイミングでこちらから終了のアナウンスと、オンライン会議室からの退室を促すといいでしょう。
例えば「ではこれで本日のミーティングを終了します。順次退室してください。」「会議を終了しますので画面を閉じさせていただきます。」などと参加者に呼びかけてあげるとスムーズに会議を終えることができます。
マナーというより、気遣いが大事!
マナーは時代とともに変化していきます。
コロナ禍では新たなビジネスマナーが現在進行形で生まれつつありますが、その変化に戸惑いを感じている方は少なくないでしょう。
マナーの本質は相手に対する気遣いです。コロナ禍のマナーにおいて最も重要なのは、この変わりつつある時代を他人と共に乗り換えようとする思いやりの心なのではないでしょうか。
大きく社会が変容しようとしてるいま、今回紹介したマナーをこれからのビジネスに活かしてみてください。