名刺管理の手間を省きたくなり、デジタル化を進めている方は近年多くなっているかと思います。
一口に名刺管理サービスと言っても色々なサービスがあるため、どのサービスを利用するか悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
名刺管理サービスにはさまざまな機能があるため、名刺管理以外での用途や使用する規模、名刺情報を共有する必要があるかどうか、料金プラン等を見比べて「最適解」を導くことが必要です。
今回は、ビジネスで注目される名刺管理サービスを個人利用する時はどんな時か、シーン別にご説明します。併せて個人向け、企業向け別におすすめな名刺管理サービスを紹介します。
ぜひ名刺管理サービス導入の参考にしてみてください。
名刺管理サービスの個人利用シーン
まず、個人で名刺管理サービスを使用するのはどんな時でしょうか。
注意点として、ここで言う個人利用とは、あくまで会社員としての立場以外で利用する場合を指します。
会社が導入をしないからといって、業務中に得た名刺を会社の許可を取らずに個人アカウントで管理することは、情報漏洩のリスクなどからおすすめできません。会社員で名刺管理サービスを個人利用する場合は完全なプライベート用としましょう。
個人事業主
個人事業主の人は会社に属さず自分で全てを管理するため、名刺管理サービスも個人向けのサービスで良いでしょう。名刺交換をする頻度が高くても、企業よりも名刺の枚数は少ないはずです。
しかし、どんな職種かにもよりますが、細かく取引先の情報を記録した方が良い場合は、営業支援機能や細かく情報を入力出来る機能もあると良いでしょう。
店舗の出入り業者の管理
飲食や小売りなどの店舗運営をしている場合、仕入れ先や清掃などの業者が出入りすることが多いです。
テナント出店の場合は尚更、出店先の社員など出入りする人間の共有を各スタッフにしなければなりませんし、異動や退職、入職で従業員の入れかわりが激しい店舗の場合はその都度教えなければなりません。
そんな時に名刺管理サービスを利用していれば、企業全体の取引先ではなく、店舗に出入りする社外の人の管理と共有が容易に行えます。
こちらは顧客の名刺を管理するわけではないので、営業支援機能などがないシンプルなもので良いでしょう。
生活上必要な名刺の管理
生活上でどんな情報が必要かは人によって違いますが、何事も同じ人に対応してもらいたい人は、必ず店員さんや作業員さんの名刺をもらっていますよね。
マッサージ師、美容師、アパレル店員や工務店、ディーラーや電化製品の販売員など、名刺をもらうタイミングはプライベートでも多くあるものです。
対応が気に入った人には「また次回もお願いしたい!」という気持ちになりますが、実際にその時が来たら「名前を忘れてしまった…」なんてことはありませんか?
それを防止するためには、外出の度に名刺を持ち歩けば良いのですが、名刺を毎回持ち歩くのは手間ですよね。そこで、スマホひとつあれば始められる名刺管理サービスがおすすめですよ。
この場合、完全にプライベート用ですから個人向けの名刺管理サービスで、シンプルな機能のものが使い勝手が良いでしょう。
個人利用におすすめなサービス!
ここでは個人利用におすすめのサービスを紹介します。
・Eight
Eightは個人での利用に特におすすめの名刺管理ソフトです。
名刺アプリの中ではシェアNo.1で、スマホだけでなくPCでの管理もできますので状況に応じて使用することができます。
名刺の登録はスマホのカメラを使って登録し、保存先はクラウドでの保存となります。
名刺管理の機能としては、検索項目がたくさんあり、名前や会社名はもちろん、部署や役職、登録した日付などの様々な条件から検索することができます。
これによって断片的な情報から探したり同じ部署の人を一覧で表示したりできます。
そしてEightならではの特徴として、相手とアプリ内で繋がっておくと相手の役職が変わった時に通知が来るようにできたり、まだ名刺交換をしていない相手にも前述のメッセージにて名刺交換のリクエストを送ったりすることができます。
他にもLINEのように気軽にやり取りができるメッセージ機能など、個人向けならではの機能が豊富にあるので、個人事業主や起業して人脈を広げたい人に向いています。
利用料金は無料の他に月額480円、または年間4,800円で利用できるプレミアムプランがあります。
無料からでも様々な機能を利用できますので、まずは手軽に利用してみるのも良いでしょう。
・myBridge
myBridgeはLINEの名刺管理アプリです。
保存先は端末とクラウドの両方が利用可能で、読み取りもカメラと手入力の両方です。
このサービスの大きな特徴は、他のソフトでは有料になっているような機能も全て無料で利用できるという点です。
枚数制限もなく送料も無料ですので気軽に利用することができます。
更にもう一つmyBridgeの特徴として他の名刺管理ソフトの名刺情報を読み込むことができるという点も挙げられます。
Eight、Sansan、Wantedly People、Camcard、Google連絡帳、Outlookなどから読み込むことができます。
こういったサービスを既に利用していてmyBridgeに乗り換えるという場合、再度スキャンする必要はなく、データを移し替えるだけで使用できます。
こちらはオンライン名刺交換ができるなど、営業寄りの機能もあるので企業にもおすすめできますが、着信時に名刺情報が出るなどの機能はプライベートでも便利な機能ですから個人利用にもおすすめです。
法人向けサービスの選び方とおすすめサービス
企業向けの利用の場合は名刺情報の共有のしやすさや大量の名刺を効率的に登録することができるかといったところが重要でしょう。
デジタルに名刺を管理しても、名刺情報の共有ができなければ利用する価値は薄くなります。
さらにそれぞれの従業員が日々受け取ってくる名刺が大量であればあるほど登録に手間がかかるため、従業員が多い場合は登録にかかる手間も重要なポイントです。
それでは以上を踏まえて企業向けのサービスを紹介します。
・メイシー
メイシーはユーザーを無制限で作成できる名刺管理サービスです。
メインの他にアカウントを無課金で作成できるため、ユーザーごとで管理し名刺情報を共有しやすく、導入費用が手頃なのが特徴です。
メイシーの大きな特徴は、名刺を郵送するだけでオペレーターが手入力で名刺情報をデータ化する点でしょう。
もちろんスキャンなどデータ化の方法は他にもありますが、まとめて郵送する方法を選べるのは膨大な名刺を保有する企業にとって大変便利なサービスと言えます。
郵送に伴う送料とデータ化完了まで若干時間がかかるのが難点ともいえますが、名刺スキャンや撮影をする必要がないため時間的コストがかなり抑えられますし、100枚の名刺であれば2日前後で完了するためデメリットとは言えません。
そして機能面もシンプルで、直感的に操作が可能。そのため社員教育が必要ないという面でもおすすめできます。
料金は名刺の枚数で決まるため、個人利用で名刺の量が少ない場合には金額面がメリットとなります。膨大な名刺を保有する企業は、利用料金こそ上がりますが、郵送で一気にデータ化できる面がメリットとなるでしょう。
よって個人利用もおすすめですし、プライバシーマークを取得しておりセキュリティ面も強いことから、デジタル管理に移行したい企業での導入にもおすすめです。
郵送以外のデータ化方法としては、スマホアプリの利用でオフラインでも名刺のスキャンと名刺情報の閲覧が可能です。
料金
基本月額料金:1,980円
郵送サービス料金:35円/枚(スキャン料金を含む)
名刺返送料金:500円
※ただし郵送サービスを利用せず自身でスキャンをした場合は基本料と25円/枚のみ
・CAMCARD BUSINESS
こちらは無料プランのないタイプのサービスです。
しかし簡易的なSFA機能や名刺情報からメールマガジンの配信をすることができる機能など、豊富な営業支援機能が備わっています。
SFAによって社員がどういった人脈を持っているかという細かい情報までキャッチすることができ、営業や新規開拓に役立ちます。
新規開拓をしたい事業者と繋がりを持っている社員を把握できれば、そこが糸口になって事業を大きく進めることができることもあるでしょう。
料金
月額基本料金:1.400円〜/ID
利用人数:5名〜
高精度校正の枚数上限:20〜/ID
1名での利用ができないため個人利用には適していませんが、5名以上で名刺情報を共有し、かつ毎月交換する名刺の量が50枚未満であればお得に多彩な営業支援機能を活用できるため企業単位での利用におすすめできます。
メイシーと違い月額制で費用の計算がしやすいですが、データ化が人力でない点や、名刺が増えるとプランのアップグレードやオプション料金が発生するため、毎月増える名刺が20枚未満の企業が一番お得に利用できるでしょう。
名刺管理アプリ・ソフトの選び方のポイント
名刺管理ソフトの選び方のポイントとして、以下3つをご紹介します。
利用したい機能があるのか?
名刺管理ソフトでは、データになった名刺を様々な形で活用ができます。
有料名刺管理ソフトには一般的に、社内共有や営業活動促進、取引先管理の
手間を減らす目的として以下の機能があります。
・名刺のデータ化機能
・検索&整理機能
・名寄せ(同一人物の複数の名刺を統合する)機能
・取引先管理機能(メモなど)
・他サービスへの連携機能
それ以外の高度な機能は、有料ソフトでもついていないこともありますので
契約の前に利用の方向性など事前に検討し、複数で比較してみるのがおすすめです。
利用頻度や目的に適した価格帯になっているか?
名刺管理サービスのほとんどはサブスクリプション型の料金体系になっています。
近年、コロナ禍でオンラインの取引増加と引き換えに名刺交換が減少していますが、
利用の機会が減っていても基本料金を変わらず支払うことになるため、
契約前に料金の詳細を調べたほうがよいでしょう。
自分が使う機能を事前にしっかりまとめ、有料サービスをそれぞれ比較検討することで
コスパがよいサービスを選択できます。
アプリ機能が充実している
名刺管理サービスにスマートフォン用アプリがあると、外出先で名刺を活用できる機会がぐっと増します。
スマートフォンアプリに登録の名刺データは取引先への経路検索(地図アプリ起動)、電話(通話アプリ起動)などで利用できますので、アプリ機能が豊富なものをおすすめします。
サービスによっては、スマートフォンアプリのデモアカウントやトライアル期間を設けているものもありますので実際の使用感を事前に確認するとよいでしょう。
無料の名刺管理ソフトの落とし穴
個人向けの、特に無料の名刺管理ソフトの利点はなんといっても安いということにつきます。
しかし名刺管理ソフトは名刺は持つ人だけでなく、名刺を渡した人も関わるものですので
個人情報の事故を少しでも防ぐ意識が大切です。
もちろん、無料だからといってすべてが危険というわけではありません。
名刺管理ソフトとして安全かどうかは、以下の要点に該当するかで判断ができます。
プライバシーマークなど、第3者機関からの認定を受けている
個人情報苦情及び相談窓口など、いざという時の相談窓口を設けている
通信の暗号化、データベースの厳重管理を実施している
また無料のアプリでは、よく”情報アクセス権の許可”を問われることがありますが
これを許可して利用すると、アプリが登録している名刺情報へ
自由にアクセスすることができます。
アクセスしてどのように挙動するかは不明で、何もしない可能性もありますが
念のため、情報アクセス権を求めるアプリは利用しないほうが良いでしょう。
有料や無料でもセキュリティ対策にばらつきがありますが、個人情報の事故は自分(自社)への信頼にかかわってきますので、事前にしっかりと調べてからの利用をおすすめします。
多彩な機能かシンプル機能か
名刺管理サービスの種類は多く、無料サービスであっても多彩な機能を備えたものもあります。ただ、機能は多ければ多いほど良いというわけではなく、名刺管理サービスを利用する1番の目的は名刺のデータ化、そして管理です。
営業支援の様々な機能は、他の営業支援に特化したサービスを導入すれば使用できるため、名刺管理サービスに必ず付いていなければいけない機能ではありません。
名刺管理サービスを使いこなすには、名刺のデータ化や管理をストレス無く続けられるかどうかにかかっています。
では最後に、この記事でおすすめした名刺管理サービスをまとめます。
個人利用
・Eight
・myBridge
・メイシー
企業利用
・メイシー
・CAMCARD BUSINESS
検討中のサービスはありましたか?個人利用はもちろんのこと、名刺をデジタル管理に移行する企業にとっても、シンプルで使いやすいという部分は非常に重要なポイントですね。
名刺管理自体に機能が多いと、直感的な操作で名刺データを探すことが難しくなりますし、使用方法の周知にも時間がかかります。
まずはシンプルで操作性の良いものを選び、名刺管理を活用していきましょう。