社内で名刺を作成する際に、お奨めの方法をご紹介します。Microsoft の Word が使えれば難しい操作は必要ありませんので、名刺のストックがなくなり応急的に作りたいときや、部署や役職が変わり新しい名刺ができ上ってくるまでの「つなぎ」にもご活用いただけます。
1 ワード(Word)で名刺を作成する手順・方法
今回のブログでは、ワードで名刺を作成する手順をご説明します。
※Microsoft Word のバージョンによって手順・方法が異なる場合があります。
1-1 名刺用紙の準備
最初に、Word での印刷に対応した名刺用紙を準備しておきます。ネット通販のほか、文具店、家電量販店、ドラッグストア、ホームセンターなどで購入できます。必ず「MicrosoftWord 対応」の用紙であることをご確認ください。
用紙の種類としては半光沢のマットコート紙や上質紙などが一般的ですが、最近ではカラーや厚みのバリエーションも増えています。
基本的には A4 判の用紙に細かいミシン目が入り、10 枚の名刺が切り離せるよう面付されています。ミシン目ですと切り離したエッジが少しざらつくため、周りが完全にカットされ台紙から剥がせるタイプも出ています。
1-2 差し込み印刷の設定
Word を開いたら画面上部の「①差し込み文書」タブから「②ラベル」を選択し、右下の「③オプション」をクリックします。
続いて、名刺用紙のパッケージに記載されている「④ラベルの製造元」と「⑤製品番号」を選択し、右下の「⑥OK」をクリックします。
「⑦ラベル」のワク内に、正しい用紙が設定されていることを確認後、「⑧新規文書」をクリックし、用紙設定を完了します。
1-3 情報の入力とレイアウト
用紙設定が終わると、名刺のサイズに区切られた作成画面が表示されます。
区切られたスペースの一つに、実際の名刺に必要な情報を入力していきます。
デザインする上でのポイントについては、次の項目でご説明しますが、まずは大よそのレイアウトから始め、次第にデザインを整えていきます。
社名・氏名・所在地・メールアドレスなどの文字情報は「挿入」タブにある「テキストボックス」をクリック。それぞれ入れたい場所にボックスを配置し、そこに入力していきます。
ロゴ・マークなどの画像は、挿入したいスペースにカーソルを合せ、「挿入」タブから「画像」をクリック。挿入したい画像を選択し「挿入」ボタンをクリックします。
スペース上に挿入された画像は「レイアウトオプション(前面または内部)」で位置とサイズを調整できます。
このようにして大よその配置が決まった後に、デザインを整えて完成させます。
1-4 他のセルにコピー
ベースとなる名刺が完成したら、それを他のセルへコピーしていきます。
一つ目のセル全体をコピーするには、まずセルの左ラインのやや内側にカーソルを合わせると、小さな「黒い矢印」が表示されます。そのタイミングでクリックすると、ワク内のオブジェクトがすべて選択されます。
オブジェクトが選択された状態で「差し込み文書」の「ラベル」をクリックします。
その先のダイアログボックスで「ラベル」の枠の中に正しい名刺用紙が設定されていることを確認し、「新規文書」をクリックすると、残りのセル全体にコピーされた新規文書が作成されます。
1-5 印刷・切り離し
プリンターに名刺用紙をセットして印刷します。
通常は A4 判の用紙に 10 枚分が印刷されます。市販の名刺用紙には、ミシン目タイプや完全カットタイプなどがあり、簡単に切り離せます。お好みの用紙を選んで使用するとよいでしょう。
2 デザインをする際のポイント
名刺は「その人の顔」とも言われます。
初対面の相手に良い印象を持ってもらうためにも、デザインは重要です。以下にデザインをする際、上手に仕上げるためのポイントについて解説します。
2-1 文字の配置
一般的な横長の名刺の場合、文字は左から右への横組みとなり、読む人の目も左上から右下に向かって流れていきます。従って、社名、役職、氏名が最初に目に入ってきて、次いで所在地やメールアドレス等の必要情報が読みやすく組まれているような配置が基本形となります。
しかし、あえて氏名が先にくるパターンや、企業スローガンが前面に出ているパターンなども、ファーストインプレッションを高める効果があり、企画意図がしっかりしていれば面白い手法だと思われます。業態や使用目的に合わて、アレンジしてみてもよいでしょう。
2-2 ロゴや画像の挿入とバランス調整
「社名」は視覚的な印象度を上げるためにアルファベット表記でロゴ化され、上部に置かれることが多く、ロゴと組み合わせて先頭にマークが配置されるパターンもよく見られます。さらに営業やサービス部門では、顔写真が印刷されることもあります。
その場合はロゴ・マークや顔写真といったヴィジュアルのウエイトが大きくなりますので、他の文字情報と調和しながら名刺としての効果を生み出せるよう、余白を上手く使ってバランスを調整する必要があります。
2-3 フォントの選定
文字のフォント(書体)やサイズ、並びや組み合わせは「タイポグラフィ」と言われ、デザインではとても重視される分野です。Word で選べるフォントの種類は、通常の名刺制作で使用するには問題ないレベルといえるでしょう。明朝系、ゴシック系を用いるのが一般的ですが、企業やそのブランド「らしい」フォントを選び、読みやすい文字のサイズ・太さや、組合せとなるよう工夫したいものです。
2-4 カラーの設定と全体の調整
ブルー系、グリーン系、オレンジ系… といった「色相」。明るい、暗いといった「明度」。色味の強弱による「彩度」。それらを加味し、名刺全体の色によるイメージを整えていきます。
ロゴ・マークをじめコーポレートカラーが規定されている場合には、基本となる色を中心に全体のカラーバランスを調整します。最近では SDGs のマークを加えるケースも多く、色づかいが多くなる場合には、余白を生かしてモノトーンの文字情報で押さえる等、メリハリをつける工夫が必要になります。
3 「どう作るか」の先に「どう活かすか」を考える
3-1 交換した名刺をデータ化して活用
従来、交換した名刺は、紙の状態で名刺ホルダーやファイルに入れて、それぞれの担当者が手元に保管するスタイルが一般的でした。
会社から挨拶状や案内状、営業用の DM などを発送する際には、各担当者の持っている名刺をもとに誰かがリストを作る訳ですが、エクセルのシートなどに手打ちで入力したデータを各担当者に戻し、確認したり更新したりするのはかなり面倒な作業でした。人の異動が激しく、顧客リストの更新にも精度とスピードが求められる現代のビジネス環境においては、顧客情報の引継ぎや共有をよりスムーズに行う必要性が生じています。
そのような背景から、特に営業部門を中心に「名刺管理ソフト」を導入し、顧客管理や新規顧客の獲得などに役立てていこうとする動きが活発になってきました。
3-2 名刺管理ソフトで何ができるようになるのか?
名刺管理ソフトとは、紙の名刺をデータ化して一元管理し、社内の各部門で共有できるシステムで、その多くがスマホと連携できるようにモバイルアプリとしても提供されています。
データ化した情報は、企業名、部署名、役職、氏名、その他仕事やプライベート情報などをデータベースに格納し、どこからでも検索したり、最新情報を共有したり、顧客を抽出しメルマガとして発信したりと、さまざまな用途に活用でき、新規開拓や顧客管理分野における DX化を加速させます。
名刺管理ソフトで一般的に可能なこと
●名刺交換した人の基本情報や個別情報を整理し一元管理できる
●社内の各部門でアップデートされた最新情報を、ダブることなく共有できる
●外出先でもスマホ検索などで顧客情報にアクセスし、商談や打ち合わせに活用できる
●SFA(営業支援システム)や CRM(顧客管理システム)など外部システムと連携できる
3-3 名刺管理ソフトを選定するポイント
導入メリットの大きい名刺管理ソフトですが、さまざまなサービスがある中でどれを選べばよいのでしょうか。以下に、選定するポイントについてまとめてみました。
●初期費用だけでなくランニングコストがかかるので、トータルでコスパの良いソフトを選ぶ
●フルスペックの管理ソフトは、中小企業では必要のない機能も多いので、自社の目的や規
模に合ったサービスを選ぶ
●スキャン、チェック、修正など手間が意外とかかるので、簡単で使いやすいものを選ぶ
●紙の名刺から読み込みデータ化する精度の高さを、口コミなどで確認する。できれば自社
で読み込むことなく、スキャンから任せられるサービスがよい
●セキュリティ対策が万全な会社のサービスを選ぶ
4 まとめ
今回は、Word で名刺を作成する方法についてお伝えしましたが、文字や図柄をどのように
配置し、視覚要素を整えていけばよいのか、といった「デザインのポイント」についても簡単に解説しました。
ブログの後半でも触れましたが、名刺は新たな顧客開拓や顧客管理をしていくうえで重要な情報資産です。近年ではそれに気づいた多くの会社が「名刺管理ソフトやアプリ」を導入し始めました。
導入の基本は、簡単で使いやすく、セキュリティが万全で、コストが安いことです。名刺管理ソフトによって優良顧客が増え、仕事効率や生産性が上がればメリットは充分にありますので、貴社でも検討されてみてはいかがでしょうか。
名刺管理ソフト&アプリ「メイシー」のサイトはこちら
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https://maysee.jp/