この数年、営業活動で得た名刺を会社で一元管理してマーケティングに活用する動きが出ています。
個人がそれぞれファイリングしていたものを、今後社内で一元管理するためには名刺をデジタル化したうえで運用することになるのですが、どのような名刺管理ツールを取り入れるべきかお悩みの企業担当者も多いかと思います。
そこで、今回は高精度のOCRエンジンで定評のある「THE 名刺管理 Business」について掘り下げていきたいと思います。
THE 名刺管理 Businessとは
THE 名刺管理 Businessは株式会社NTTデータNJKより発売されている法人向け名刺管理クラウドサービスです。
高精度のOCRエンジンを使用しているため、名刺をスキャンするだけで自動的に名刺のデジタル化が可能になり、導入した企業は顧客情報リスト作成にかかる時間とコストを大幅に削減することができます。
デジタル化された名刺データは、CRMアプリ世界シェアNo.1であるSalesforceの高セキュリティデータベースに保存され、会社による一元管理の下、情報資産として社内関係者で共有することが可能になります。
名刺取り込みには社内既存の複合機やドキュメントスキャナが利用できるほか、白い背景の中でも名刺を自動で切り出しできるAI輪郭抽出機能搭載の専用アプリにより、外出先のスマートフォンのカメラからも取り込みが可能です。
また、ブラウザや専用スマホアプリを通して名刺データの検索・閲覧から編集までできるため、テレワークや在宅勤務などの勤務形態にも影響なく業務を進められたり、外出先での急な連絡も対応できたりするなど、ビジネスチャンスにスピードをもって対応できる利便性を持っています。
Salesforceのプラットフォーム上で、名刺管理サービス単体でも動作しますが、THE 名刺管理 Businessのシステム導入を足掛かりにSalesforceとのシームレスな連携につなげれば、名刺データをSFAのマーケティングに活用できるよう発展させられるなど、ビジネスチャンス拡大の1歩にもなり得る商品です。
名刺のデータ化、簡単な方法は?
では、名刺管理に欠かせないデータ化は実際どのように行うのでしょうか?
THE 名刺管理 Businessの特徴に、専用スキャナ以外にも、会社の資産である既存の複合機・ドキュメントスキャナ・スマートフォンでも名刺登録が行えるという点が挙げられます。
いずれもOCRエンジンによる自動デジタル化で画像を読み取らせるだけの簡単登録なのですが、ここでは3タイプそれぞれの登録方法について大まかな流れを紹介します。
【連携スキャナFujitsu N7100で登録する方法】
1.タッチパネルで取り込み先ユーザを選択します。
2.両面をスキャンしたら、「終了」で名刺データ化が完了します。
【スマートフォンで登録する方法】
1.無料の専用アプリ(THE 名刺管理 Business for iOS / Android)をインストールし、ログインします。
2.名刺を並べアプリのカメラボタンを押して撮影します(6枚程度の複数も1度に撮影可能)。
3.「終了」で名刺データ化が完了します。
【複合機やドキュメントスキャナで登録する方法】
1.複合機のスキャン機能で名刺をスキャンしたら、「スキャンアプリケーション」インストール済みのPCに保存します(1度に複数枚のスキャンも可能)。
2.「スキャンアプリケーション」の画像ファイルボタンで、取り込む画像ファイルを選択します。
3.画像ファイルを開くと名刺画像が1枚ずつサーバーにアップロードされ、「終了」でデータ化が完了します。
(※複合機によって、スキャンした画像の保存方法が異なりますので、使用する機器に従ってPCに画像を取り込んでください)
連携スキャナやスマートフォンでの登録は、1台の機器でスキャンとデータのアップロードが完了でき、実に驚くべきスピードで名刺管理が行えます。従来アナログな方法で名刺管理を行っていた分の時間を他の営業活動に充てられるので、確実に生産性や効率性のアップにつなげられますね。
THE 名刺管理 Businessの持つ10個の機能
各社から販売されている名刺管理ツールそれぞれに持ち味があるように、THE 名刺管理 Businessにも多くの機能がついています。
1. 認識精度判定機能
高精度なOCRを標準搭載しているため、名刺読み取り後はオペレータによる登録作業をまたずに、すぐに確認することができます。また、その際認識精度判定機能により氏名・社名・メールアドレスの項目で訂正の必要性が低い項目にはアイコンが表示されるので、OCR読み取り結果のチェック作業が楽にできます。
2.秘書権限・アシスタント権限機能
担当者が忙しく名刺登録に時間が取れなかったり、社内で特定の人物がまとめて名刺を登録・編集する役割を担っていたりする場合でも、他ユーザの名刺を登録できるアシスタント権限機能や他ユーザの名刺を編集できる秘書権限機能を使って、代理で登録を行うことも可能です。
3.リード・取引先・取引先への振り分け転送
Salesforceの機能のひとつでもある、便利な名刺管理方法です。名刺データを登録したら、それぞれをリード客・取引先・取引先責任者の各項目にデータを振り分けて転送し、リンクさせて管理できます。
4.組織図作成
登録した名刺データをもとに取引先の会社組織図が自動作成されますので、取引先との部署によるつながりもわかりやすく可視化されます。
5.データクリーニング機能(名寄せ・企業データベースマッチング)
名寄せ機能により同一人物の名刺を複数所有する場合は最新の情報に整理され、まとめて表示されます(※名寄せ対象は自分が担当する名刺のみ)。また、名刺登録の際、企業データベースをもとに「社名・社名読み」「住所」「電話・FAX番号」「企業URL」などの企業情報を補正し最新のデータに置き換えます。
6.データ閲覧・検索
名刺データは、リストもしくはサムネイルでわかりやすく一覧表示されます。社名順・氏名順・登録順・更新順の4通りで並び替えも可能なほか、名刺登録時に結び付けたタグで検索できるなど、欲しい情報にいち早くたどり着けるようになっています。
また、リスト化した名刺データをCSVファイルで出力し、データをDMなどの販促物に再利用することも可能です。
7.データ共有と情報保護
登録された名刺のデータは、自分の所属する部署や参加しているプロジェクトなどグルーピングされた範囲で共有できます。
ただし、上司の名刺を部下に閲覧できないよう設定したり、特定名刺を非公開の設定にしたりできるなど、さまざまなアクセス権限設定も可能にすることで、情報の安全性を保てるようになっています。
8.スケジュール管理機能
名刺に関連した活動をカレンダーに照らし合わせてメンバーで共有できます。カレンダーはSalesforce標準から拡張され、名刺に関連した活動は、個人の月表示とメンバーで共有する週単位の表示ができ、顧客との活動履歴を一目で確認できます。
9.各種制限・権限の設定
ローカルにデータを置かずクラウド上のデータベースに保管することで物理的にも保護されるうえ、データ出力を制限したりさまざまなアクセス権限を設定したりすることで、セキュリティをさらに強化できます。
10.その他オプション(有料)
また、上記以外にもアウトソーシングによるスキャン代行やオペレータによる入力データ修正サービス・システム導入時の支援サービス・人事異動の情報及び組織変更情報の配信などのサービスがオプションで加えられます。
至急クリーンデータが至急必要な場合や上級職員向けには有料の入力サービスをオプション追加するなど、企業の規模や活用シーンに合わせた運用が可能です。
THE 名刺管理 Businessの活用 がもたらすメリットとは
THE 名刺管理 Businessの特徴や便利な機能についてふれてみましたが、端的に表すならば、「高セキュリティに保護され、シンプル操作ですぐに始められる名刺管理ツール」と言えるでしょう。
スキャンのみで正確なデータを読み取れる最新の高精度OCRエンジンは、キーボード操作不要で簡単に名刺登録できるので、営業担当者の負担を大幅に軽減できます。
そして、名刺のデータ化により検索の時間と手間が省かれるうえ、電話やメールなどもワンクリックで行えるようになるので、営業効率のアップにもつながります。
また、ビジネスにおいて正確な情報を保つことはとても重要なポイントであり、名寄せによる情報更新は住所移転や組織変更などへの速やかな対応を可能にし、スムーズな営業活動を支えることができます。
さらに、外出の多い営業担当者にとって、登録・閲覧が即できるモバイル専用アプリで名刺データを取り扱えることには、非常に大きな意味があります。
大量の名刺を持ち歩く必要もなく、必要な時にすぐお客様とコンタクトを取ることができる環境を整えることは、時間のロスによって発生するビジネスチャンスのロスを未然に防ぐことにもつながるからです。
また、端末に名刺データを残さず、クラウドサーバー上で安全に保管された名刺情報を使用するため、万が一モバイル端末の紛失が起きてしまったとしても、リスクを最小限に抑えることができます。
そして一方では、アドレス帳に名前がなくても、着信時には相手の名前がきちんと表示されるのでコミュニケーションに支障をきたすこともなく、営業での外出に不便さを感じずに済むでしょう。
そのほかにも、データ化された名刺はリスト化してCSVファイルで出力でき、挨拶状やDMなどの宛名作成に役立てられますし、登録された名刺データは、それぞれリード客・取引先・取引先責任者の各項目に振り分けて管理でき、顧客との関係性が明確になることで営業活動の方向性を定めやすくなるなど、マーケティングにも役立てられます。
そして、さらには将来的に顧客管理(CRM)・営業支援(SFA)システムなど新たなMAツールを導入する際に、営業担当者に負担をかけずにデータ移行がスムーズに行えるというメリットがあり、名刺管理を発展させた営業戦略の足掛かりにできる可能性をも持っているとも言えるでしょう。
まとめ
「THE 名刺管理 Business」の強みは、高精度OCRエンジンによるデータ入力の手軽さと、高セキュリティの安全性と言えます。
また、それ以外にも企業の規模や運用の仕方に合わせてオプション追加できるなど、フレキシブルな対応ができる点やSalesforceとの連携など発展性が見込める点なども、他の名刺管理ツールと比較する際のポイントにできるでしょう。
「THE 名刺管理 Business」は新規申し込みの場合30日間の無料トライアル期間が義務付けられていて、本契約前に会社で模擬運用ができるようですので、名刺管理ツールを取り入れる前に、このようなトライアルの利用を検討してみるのもよいですね。