名刺管理にSFA導入を成功させる!失敗事例から学ぶ5つのポイントとは

皆さんが働いている企業では、顧客から手に入れた名刺を社内全体の営業活動にしっかり活用しきれているでしょうか?

ひょっとすると、もうSFAシステムが導入されている会社もあるかもしれませんね。では、すでにシステムが導入されている場合、SFAツールを上手く使いこなせていますか、また、導入したSFAシステムに満足していますか?

実は、SFAシステムを導入した企業の中にも『IT化の波に乗ってSFAシステムの導入を図ってみたけれども、今一つ成果を生かしきれていない』または『むしろ現場の混乱を招いてしまって、営業社員のモチベーションが下がってしまった』など、思うような結果につながっていなかったり逆効果になってしまったりしている企業も少なくないようです。

本来ならば、営業社員の業務を日々サポートし、売上げの底上げに貢献する予定であったSFAシステムが、経費をかけて取り組んだにもかかわらず、上手く使いこなせないため「無用の長物」になってしまっているのは、会社にとっては大きな損益であり、働く社員にとって非常に残念なことでもあります。

では、なぜこのようなことが起こっているのでしょう。今回は、名刺管理のSFA導入に失敗してしまった例を具体的に紐解きながら、SFA導入を成功させるポイントをご紹介したいと思います。

SFA(営業支援システム)が必要とされる背景とは

最近よく耳にするSFA。いったいなぜ今SFAを導入する企業が増えているのでしょうか?ここではSFAシステムが必要とされている背景について、今一度考えてみましょう。

正式には「Sales Force Automation(セールス・フォース・オートメーション)」、略してSFAと呼ばれるビジネス用アプリケーションは日本語で「営業支援システム」とも呼ばれています。

その名のとおり、営業スタッフが日々行う顧客情報管理・営業活動記録などのデスクワーク作業や、営業活動をより戦略的に展開するための各種データ分析・営業分析を、パソコンやネットワークを用いることで効率化または自動化して営業業務をサポートするシステムです。

デスクワークは小さな作業でもそれぞれの業務において高速化が進むと、結果的に大きな時短へとつながります。SFA導入によって増えた自由な時間を、顧客訪問など営業に充てることで生産性を上げることもできますし、他方では、働き方改革が叫ばれている現在の流れに沿い、短時間勤務に対応することも可能になります。

少子化が進む日本では慢性的な人手不足が予測されており、企業は自社を存続させるため少人数・短い就業時間で効率よく実績を上げる方法を模索しています。

また、終身雇用の崩壊により転職でキャリアを上げていく働き方をする人も増えているなか、担当者の力量に任される属人的な営業管理では担当者の異動に伴い営業ノウハウも失われてしまうため、視覚化できる情報として営業ノウハウを企業が保有できる環境を整える必要にも迫られています。

このような状況でもSFAを活用できれば、商談プロセスや情報が可視化され、名刺顧客の正確な売上げを予測したうえで次の営業の一手を的確に打てるのです。

つまり、企業がこれから生き残るためには、タイムリーで正確な顧客管理と社内における情報の共有により営業効率アップを図り、ひいては売上実績を上げる必要があるのだと言えるでしょう。

ただし、名刺管理ツール単体で顧客に対するフォロー情報などの記録はできないため、営業活動記録の管理ツールにはなり得ませんし、SFA単体でも名刺管理ツールのように情報の取りこぼしを防ぐことはできません。

名刺管理とSFAをシームレスに連携させることで、初めて営業生産性の向上が図れるのです。

つまり、企業が現在抱える問題を解決し今後も存続するために、名刺管理と併せてSFAを導入することは極めて自然な流れと言えるでしょう。

SFA(営業支援システム)導入の失敗パターンから学ぶ、成功へのヒント

では、ここでSFA導入をしたものの上手くいかなかった企業の、主な失敗事例を紹介します。

・『社員の理解が得られず反発も大きかった』

A社の場合、部門の管理責任者が売上管理や案件管理を始め、スタッフの予定や行動を一気にSFA管理しようと考え、システムを導入しました。

もちろん売上向上を図るためでしたが、その裏には新規客の獲得、なかでも『受注金額の大きい新規客』を取り込もうという目的がありました。そしてそのために『受注金額の大きい新規客の属性を特定する』データが必要だったわけです。

けれども、何を目的としたデータ入力を行っているのか、入力した情報から何が引き出せるのか、社員がどのようなメリットを得られるのかといった、会社としての目的『受注金額の大きい新規客の属性特定』や社員個人の目的『個人の業績や報酬アップ』のつながりを明確に落とし込みできていませんでした。その結果、管理されることを嫌った社員の反発が大きく、SFAは定着しませんでした。

・『操作が複雑だったため社員のモチベーションが下がってしまった』

B社の場合、営業部門の人材は年齢も幅広く、パソコンに明るい人ばかりではなかったようです。その上、導入されたシステムは画面情報量も多く、視覚的に直感で操作をして進められるタイプではなかったため、操作の都度マニュアルが必要だったそうです。

一つの項目を入力するだけでも複数の手順を踏む必要があり、使いこなすのに時間がかかったため「顧客に会う時間が割けなくなってしまう」と入力を避ける社員が出てきたり、入力にうんざりしてモチベーションダウンする社員が出てきたりして運用が長続きしませんでした。

SFAシステムを開発する会社は多数ありますが、操作方法はそれぞれに異なります。時間を効率的に使えるためのシステム導入に、余計な時間と労力を費やすのは本末転倒です。社員のパソコン習熟度も考慮に入れたり、チェックボックスやプルダウン選択などシンプルな操作で入力が進められるタイプの導入を図ったりするなどの必要があったと思われます。

・『機能が多すぎて運用しきれていない』

C社の場合は少し状況が異なります。部門管理者や社員にもシステムの効果に対する落とし込みができており、入力も前向きに取り組みました。ところが実際にデータ集めと入力を終え、活用を始めてしばらくすると、多くの機能が搭載されているのにもかかわらず、まったく使われていないものがいくつもあることが判明しました。

入力まで定着させることはできていますので成功しているようにも見受けられますが、費用対効果の面ではロスの方が大きくなっている可能性も否めません。

SFAツール導入にあたり、多くの機能を搭載してある方が先々役立ちそうに思え、コスパが良いと言われている多機能システムを選びがちですが、機能が増えすぎて活用しきれていないことも多いようです。コスパが良いとは言え、使わない機能にも毎月使用料を支払っているのですから、企業としては無駄な出費となり余分なコストになっていると言えるでしょう。

SFA(営業支援システム)導入を成功させるために気をつけたい5つのポイント

SFA導入の失敗例にも見られるように、一般的に失敗したと思われるほとんどの理由というのは「定着しなかった」というものです。

いずれのケースもSFAが定着しなかったわけですが、理由の奥深くをのぞいてみると、そこには以下のようにそれぞれ異なる原因が存在していたことがわかります。

・何のために入力情報を利用するのか目的が不明確。

・SFAの必要性や、利用することで得られるメリットの落とし込みができていない。

・入力項目が多いなど、スタッフの負担が大きいことへの抵抗感。

・操作方法が複雑なため使いにくい。

・必要以上の機能が盛り込まれすぎて、使いこなせていない。

つまり、これからSFAツールを導入しようと考えているならば、これらの失敗例を参考に失敗パターンの逆を意識しながら導入を図ればよいでしょう。

1.情報の利用目的を明確にする。

2.SFAの重要性や会社・個人が得られるメリットを落とし込む。

3.導入初期の管理すべき項目は必要最小限にする。

4.直感的に操作が可能なシンプルなデザインを選ぶ。

5.最小限の機能から利用を始め、慣れてきた実感を得てから機能を追加する。

また、すでにSFAを導入していて上手く活用できていない場合、システムによっては不要なシステムを外すなどカスタマイズで軌道修正を図れることもあります。一口に「定着しなかった」と切り捨てず、『どの作業が』『なぜ』定着しなかったのかという理由まで踏み込んで原因を探りましょう。

SFAはこれからのビジネスに高く貢献するアイテムですので、カスタマイズで軌道修正を図れば、さらに利用価値が高まりますよ。

まずはシンプルなものから始めよう

SFAの失敗パターンから学べる教訓は、とてもリアルで生かし甲斐のあるものです。

便利な機能がたくさんあっても、使用できる技術が伴わなければ重装備すぎて負担になります。また、入力作業に手間取りすぎて営業にかける時間が削減されてしまうのは本意ではないはずです。

SFAの運用は、それぞれの企業に合う形がそれぞれあるはずですので、いきなりすべてが変えられることを期待せず、負荷のかかりすぎない最小限の範囲から始めていくことが成功の秘訣になるでしょう。

まずは、SFAの利用目的やメリットについて十分理解を深めたうえ、シンプルでわかりやすいを念頭に日々の作業の定着化から、取り組むことをおすすめします。