名刺のリストとCRMのデータを元にさまざまな指標を可視化!分析レポートで生産性アップ

  • 2021年1月12日
  • 2022年6月21日
  • CRM

営業活動をしていると、日々さまざまな商談や案件、新規顧客獲得に追われることになるでしょう。営業の要とも言える商談、状況変化をしっかりと見極める必要がある案件の進捗、新規の顧客獲得を効果的に行うためには、データを分析し戦略を練らなければなりません。

そこでデータの基本になるのが顧客リスト。昨今では顧客リストを作成できる名刺管理サービスやCRMを導入する企業も増えていますが、充分に活用できていないケースも多いのだとか。

名刺管理サービスやCRMを導入することにより、情報の共有ができ、アプローチのタイミングを逃さないようにできます。しかし導入しているシステムを活用し、データを分析して指標を可視化しなければ、結果を出すことはできないのではないでしょうか。

今回は名刺のリストやCRMのデータを元に、どのように分析レポートを作成して生産性をアップさせるのかを解説します。

分析レポートとは

名刺管理サービスやCRMは、従来各々の営業パーソンが管理していた顧客情報を社内で共有できるようにする優れたシステムですが、単に導入して情報共有しているだけでは売上を生み出すことはできません。

CRM(Customer Relationship Management、顧客関係性管理)の大きな目的は、顧客満足度を向上させること。問題点やニーズを可視化し、適切なタイミングで顧客にアプローチできてこそ、顧客満足度向上を果たせることができるのです。

逆に言うと、情報を分析せず可視化しないのではCRMを活用しているとは言えず、結果を出すことはできません。

CRMを活用すると、顧客を分析したレポートを作成することができます。具体的な売上目標を掲げた分析レポートの内容を見ていきましょう。
KGI・KPIと売上目標
KGIとは、Key Goal Indicatorの略で日本語では「重要目標達成指標」。KPIとはKey Performance Indicatorsの略で日本語では「重要業績評価指標」です。

わかりやすく言うと、KGIは売上の最終目標であり、KPIは中間目標を指します。

売上の最終目標を達成するためには、中間目標であるKPIを決めることが有効的ですが、やみくもに行うのではなく、データに基いた数字を決めることが重要です。

例えばAとBの合計売上を50%アップさせるのがKGIと定めたら、蓄積されているデータを分析してKPIを決めます。

データを分析した結果、インターネットからの集客がほとんどであり、Aを購入した50%の顧客がBをセットで購入することが判明したとしましょう。そこでKPIは「インターネットからの集客を倍にする」「Aの受注数を50%上げる」となるのです。

KGIとKPIを決めることでどこを目指したらいいのかという目標がはっきりし、チームが一丸となることができます。この際に必要になる顧客情報データは正確でなければいけないので、日々上がってくるデータをきめ細やかに管理しましょう。
見込み客・顧客のデータ
見込み客の定義は、将来顧客になる可能性があること。名刺交換をしただけの相手であったり、問い合わせがあったものの売上には至らなかった相手であったりします。

顧客の場合は、どのような取引、商談をしたか、あるいは売上があったかをデータとして記録する必要があり、見込み客の場合はどのようなニーズがあるのか、問い合わせの内容がどのようなものであったのかの記録が必要になります。
正確な顧客管理をするには
CRMは顧客情報を一括で管理できるシステムですが、顧客情報を入力していく手間がかかるという声があるのだそう。優れたシステムであっても、正確なデータが入力されていないのでは活用できません。

管理する顧客数・見込み客数が多い場合、名刺を一気に読み込んでテキストデータ化する名刺管理サービスを利用するのがおすすめです。CRMと連携している名刺管理サービスから導入すれば、名刺から作成した顧客リストがそのまま利用できます。

また、いきなり多機能のCRMを導入するのは不安だという場合には、初めに簡易的なCRM機能も備えている名刺管理サービスから導入して、機能を追加できる段階になったら名刺管理サービスと連携しているCRMを導入するのも良いでしょう。

レポート機能で集計、グラフ化

適切なKGI、KPIを決め、売上目標を達成するには、データを集計し可視化できるようにすることが不可欠です。その際、従来手作業で行っていたレポート作成を自動で行ってくれるのがCRM。

名刺管理サービスとも連携しているZoho CRMのレポート機能を活用して作成できる具体例を挙げます。下記のレポートを作成するためには、事前に「顧客情報」の入力、どの顧客とどのような商談をし、どの段階まで行っているのかなどの「商談情報」の入力をしておかなければなりません。
商談状況のレポート作成
Zoho CRMには「表形式レポート」「サマリーレポート」「マトリクスレポート」のレポートタイプがあり、さらに円グラフ、棒グラフなどから自由に選べるテンプレートが用意されています。

例えば「現在、何件の案件がどのステージであるか」を示す商談状況のレポート作成をしたいのであれば、「総商談数」を縦軸にとり、横軸を「見積もり提出」「受注」などのステージにしてレポート作成をすれば、自動で商談状況が可視化できるグラフや表が出来上がります。

また、受注・失注のタイムラインの折れ線グラフを作成しモニタリングしていれば、受注件数の割に失注が増加しているという異常値が出た際に、早急に対応することも可能になるでしょう。
商談件数のレポート作成
Zoho CRMでは、顧客情報、商談情報を基に、商談件数のレポート作成も簡単にできます。

「商品別の商談件数」のレポートを作成したい場合、マトリクスレポートを選択し、縦軸は「商品名」を横軸は「完了予定日」を設定。実行キーで、商品名別の商談合計件数、完了予定日別の商談合計件数が算出されます。

また縦軸に「商談状況」、横軸に「営業担当者名」を設定すれば、商談状況別の合計件数と営業担当者別の商談件数を算出したレポート完成です。

ダッシュボード機能

Zoho CRMにはダッシュボード機能があります。業務内容や役割に応じて、一括で画面管理できる適切なダッシュボードを作成し、活用するようにしましょう。
営業マネージャー
ダッシュボードを作成するのに重要なのは、何を分析したいのかということです。例えば営業マネージャーであれば、掲げた売上目標に対しての営業状況を把握しなければなりません。そのために必要なのは、売上目標に対しての進捗状況とその内容でしょう。

また営業面で問題が起きていること、及び売上につながる可能性を直ちに察知し、早急に対応するためのデータ分析も必要です。各営業担当者の成績や商談状況、見込み客の獲得件数も把握する必要があるでしょう。
各営業担当者
営業チームの一員である場合には、自身の営業成績、商談状況はもちろんのこと、チーム全体の売上目標に向けての進捗状況を把握する必要があります。

自力だけで頑張るのではなく、情報共有や全体の進捗状況を見ることで、新たな戦略も見えてくるでしょう。

データでレポート作成、可視化して有効活用しよう

名刺や顧客データをコレクションしているだけでは、顧客満足度にも売上にもつながりません。すべての顧客に同じアプローチをしていても、顧客の関心を引くことはできないからです。

まずは顧客1件ずつの正確な入力が重要、そしてそれぞれの顧客といつ、どこで、どのような商談をしたのか、またはどのような見込み客であるのかなどの商談情報の管理も大切になります。

正確なデータを入力したらそのままにせず、売上目標達成のために有効活用していきましょう。営業パーソンの頭脳と適切なシステムの運用によって、ビジネスの可能性を広げていくことができます。

データを有効活用するために不可欠なのが、分析レポートを作成して情報を可視化すること。営業パーソン各々の頭の中だけで情報処理をする時代は終わりました。情報はチームや社内で共有して問題点や可能性を可視化し、売上アップにつなげていきましょう。