技術の進歩により一般にも広く認知されるようになったAI。
AIとは人工知能の略称で、私たちの身の回りにはすでにAI技術が活用されたツールやサービスがたくさんあります。
例えば、「ルンバ」などのお掃除ロボットや、自動車の自動運転や危険察知アラート、スマートフォンの顔認証によるロック解除システムもAI技術によって実現されています。
このようにAIは身近なものとなっており、わたしたちが個人レベルや仕事の領域でもAIを活用できる環境が整っているのです。
今回の記事では米国発のCRMツール「Zoho CRM」より、企業の営業活動をサポートするAI機能「Zia」についてご紹介していきます。
ビジネスをさらに効率化させたい、新しい技術を仕事に取り入れたいという方はぜひ最後までご覧下さい。
AIをビジネスに導入して業務を効率化
AIをビジネスに導入することで、日々の業務をより効果的に進めることが可能になります。
そもそもAI、すなわち人工知能がどんなものかというと
・人間の持つ一部の能力を代替するシステム
・人間のように思考するシステム
この2つに大別することができます。
ではこのAIがビジネスにおけるどのような業務に導入することができるのかを以下で確認していきましょう。
●単純作業の自動化
AIは日常の単純作業を効率化する点で非常に優れています。
例えば、データの入力や計算などの作業を人間が行う場合は、計算ミスをしてしまったり処理のスピードにばらつきが出たりします。
この計算や入力といった分野はAIが最も得意とする分野です。これらの業務にAIを導入すれば、人間では作業しきれない量の仕事もミスなくスピーディーにこなすことができます。
そのため、やるべきことが一定で単純な業務はAIに任せるべきと言えるでしょう。
●データ分析
インターネットの普及によって、AIは膨大な情報を活かしたデータ分析が可能になりました。
大量のデータを人間の手によって分析することは困難を極めますが、AIは数字の取り扱いが得意なため正確かつ素早くデータをまとめることができます。
さらに、洗い出したデータは数値やグラフ、図などで表すことができ、大量のデータを可視化したいときに非常に便利です。
こういった可視化されたデータは効率的な営業活動に役立ちます。
●予測
AIはデータを蓄積していくことで、分析の先にある予測までも出来るようになります。
例えば、顧客がどんな商品を、どの時期に、いくらの価格で購入したかなどの購買データを蓄積していくと、AIはその顧客に対する最適な営業アプローチ方法を予測します。
人間であれば「このお客さんはこの商品に興味あるかな?」と自分の感覚に頼って営業に行くこともありますが、AIは過去のあらゆる実績を総合的に判断して合理的な選択肢を提示します。
このようにAIに顧客の行動や購買パターンを学習させていくことで、より良い予測をAIから得ることが可能になります。
名刺管理とCRMにもAIを導入しよう
名刺や顧客情報の管理にはAIの導入を強くおすすめします。
名刺情報と顧客情報は営業活動を行う上で欠かせないデータです。企業の営業活動はこの顧客のデータをもとに進められていく場合がほとんどでしょう。
この顧客データの管理にAIを活用すれば、優先度別の顧客リストの作成や訪問する時期、提案すべき商品などが自動でAIから提案されます。
そのため営業戦力を考える手間が省かれるので、その分人間は実際の営業活動に専念することができます。
AIの得意なことはAIに任せて業務の効率化を図り、人間は人間の得意な顧客との直接のコミュニケーションに専念することが重要です。
Zoho CRMのAI「Zia」の機能
Zoho CRMは米国発のITソリューション企業Zoho社の提供するサービスです。
顧客の情報を管理するCRM機能を持っているだけでなく、営業活動を効率化するための様々なSFA機能も兼ね備えています。
そしてZoho CRMには「Zia」というAIが搭載されており、Zoho CRMのあらゆる機能がこのZiaによってバックアップされています。
ここではZoho CRMのAI「Zia」によってどんなことができるのかを解説していきます。
●予測分析・レコメンド
・レコメンドの提示
顧客の基礎情報や購買パターンを分析し、類似した顧客に販売が見込めそうな商品をZiaが提案します。
例えば、夏の時期に30代の男性によく売れている商品があった場合、同じような顧客を持つ担当営業にその商品や他の購買顧客のデータが届きます。
商品の提案先をおすすめしてくれるので、効果的な営業活動をサポートしてくれます。
・予測ビルダー
進行中の商談がどれくらいの確率で受注になるかをZiaが予測します。
受注確約のためのクロージングに優先順位を付けたいときに便利です。
予測は過去の類似する取引から行われますので、取引数が多くなればなるほどAIが学習していき予測の正確性が高まります。
・今後の展望予測
営業活動の実施率や商談数、見込み客の確度などを総合的に判断し、今後の売上予測をZiaが行います。
売上金額の予測に加え、その達成のために必要な「営業フォローを増やしましょう」「納期の確認を徹底しましょう」などの具体的な活動の提案も受けることができます。
・異常検出
受注数の激減や、メール受信数の急増などの異常が見つかった場合に通知が届きます。
これにより問題の発見と解決の早期化が可能です。
●生産性向上・営業イノベーション
・ワークフローの提案と分析
営業活動の中で自動化したほうがいい業務がZiaから提案されます。
例えば、商談が終わった後にいつもアフターフォローのメールを送信していた場合、Ziaから「商談後のメールを自動化しませんか?」という提案が来ます。
この提案は通知が来た後にすぐ設定が可能で、これによりルーチンワークが自動化され業務の効率化に繋がります。
また、ワークフローの自動化が増えていくと処理のダブりやミスマッチなどが生じることもあります。そういった場合にもZiaが漏れなくチェックをしますので、より良いワークフローの形成が可能です。
・最適な連絡時間帯の提案
過去の取引の記録から顧客に連絡が付きやすい時間帯を分析し、担当営業へ顧客に連絡する最適な時間帯を提案します。
これにより不在着信などによる時間のロスを減らすことが可能です。
また、Ziaによるタスクのリマインド通知を設定すると、タスクを行うべき最適な時間に通知が行われるようになります。
・割り当てる担当営業の提案
各担当の割り当て担当数やこれまでの活動から、新規顧客の最適な担当営業を提案します。
バランスよく担当顧客を振り分けたいときに有効です。
まとめ
AI技術はこれからもどんどん進歩していくことが確実視されています。
現在の時点でもすでにスマートフォンや家具家電にAIの機能が次々と搭載されていますので、今後はもっとAIはわたしたちの生活に浸透していくでしょう。
そして、ビジネスの世界でもAIを活用することが当たりまえの時代が来るかもしれません。
仕事におけるAI導入の有無は圧倒的な作業効率の違いを生み出します。
ビジネスのAI化の波に遅れないよう、今からAI技術を仕事に取り入れてみてはいかがでしょうか?