インサイドセールスとは?やり方や成功事例・導入手順などを解説【2022年最新版】

  • 2021年10月1日
  • 2022年3月15日
  • 名刺

インサイドセールスとは?

インサイドセールスとは、電話やメールなどを使っておこなう営業スタイル、または職種のこと。訪問して商談をおこなう「訪問営業」に対して「内勤営業」とも呼ばれます。

インサイドセールスとフィールドセールスの違い

インサイドセールスとフィールドセールス(訪問営業)は、営業手法や目的において違いがあります。

フィールドセールスは見込顧客を訪問して面前で商談をおこなうのに対し、インサイドセールスは基本的に電話やメール、チャットやオンライン会議などのツールを使って営業活動をおこないます。この点が、営業手法の違いです。また、フィールドセールスは商談をして契約を獲得するクロージングを目的としていますが、インサイドセールスは見込顧客とコミュニケーションを図りながらニーズを高め、成約に至る可能性が高そうな見込顧客をフィールドセールスに引き渡すことを主な目的としています。

インサイドセールスは「テレアポ営業」と同じものだと思われがちですが、見込顧客の育成(ナーチャリング)や契約後のサポートまでおこなう点でテレアポとは異なります。

インサイドセールスが注目される理由

※営業活動の分業化の例として

インサイドセールスが注目される理由ですが、大きく2点あります。

  • 労働人口減少を背景に働き方改革と営業活動効率化が求められている

直接訪問して商談をするフィールドセールスは、言わば「人海戦術」のような営業であり、成果をあげるためには多くの人材と多くの時間を必要とします。人材不足が深刻になり、営業活動の効率化が求められるようになった近年のビジネス環境において、多くの企業が注目し始めたのがインサイドセールスです。

これまでの営業活動ですが、営業担当者1人がターゲットの絞り込み&案件化から商談(対面)、購入後の顧客対応までの全工程を受け持つ必要がありました。

ですが、当然営業担当個人によって業務の得意&不得意はあります。

また以前のフィールドセールスのような、全工程を1人で受け持つ形では目標設定が難しく、ハードな仕事のわりに達成感が低くなっていました。

そのため、営業職は離職率が高く後輩育成が困難な現状がありました。

ですがインサイドセールスでは営業活動を明確に分業化、可視化し、それぞれの工程で得意な営業担当を配置できるようになります。

営業担当を得意な工程に専念させ、業務のハードルを下げることで営業担当者の負担が減り、業務効率が改善されるようになりました。

また営業活動の分業化を進めることで担当者それぞれの目標設定が容易となり、結果後輩の育成が容易になりました。

またインサイドセールスは、フィールドセールス(面談)と比較し訪問しないで活動ができる利点があります。
オンラインで営業活動ができるため交通費節約ができ、柔軟な働き方ができることで
人材確保の促進ができます。
また訪問時間がなくなった分、その空いた時間をほかのことに活用できます。

インサイドセールスは今後の日本の労働における課題を解決する新しい手法として注目されています。

  • コロナ禍により、非対面で行う営業活動の必要性が出ている

これまで日本企業の営業は「足で稼ぐ」ことが美徳とされてきましたが、この価値観を変えることになったのが新型コロナウイルスの流行です。「感染拡大を防ぐために訪問する(訪問される)のは避けたい」「でも、ビジネスチャンスは逃したくない」というコロナ禍であるがゆえの葛藤から、非対面の営業手法としてインサイドセールスは大きな広がりを見せることになりました。

ITテクノロジーの発展によって、直接会って話さなくても見込顧客のニーズや悩みを把握できるようになったこともあり、フィールドセールスを縮小してインサイドセールスを拡大する企業が増えています。今後は、インサイドセールス部隊がWeb会議システムを使って見込顧客とオンライン名刺交換をする、というシーンも一般的なものになっていくでしょう。

オンライン名刺交換については以下の記事で詳しく解説しています。

>> 【2021年最新】オンライン名刺交換のやり方を完全ガイド!ツールやマナー、おすすめ名刺管理サービスまで徹底解説

インサイドセールスのメリット

インサイドセールスのメリットとしてよく言われるのが、以下の3点です。

インサイドセールスで営業活動を効率化する!

インサイドセールスという概念がなかった頃は、フィールドセールスが見込顧客の発掘や育成から、アポイントの獲得、商談、クロージング、既存顧客のサポートまで、あらゆる営業関連業務を担っていました。しかし、インサイドセールスが前段部分の業務を担うことで、フィールドセールスは商談・クロージングに専念できるようになり、営業活動全体の効率化につながります。

インサイドセールスで成約率を高める!

インサイドセールスが登場する前は、フィールドセールスが「とりあえず会いに行く」という姿勢で商談に出向いていました。手当たり次第に見込顧客にアプローチしていたため、成約率は必ずしも高いものではありませんでした。

近年、チャットやWeb会議などのツールが一般化し、見込顧客と直接会わなくても十分なコミュニケーションがとれるようになりました。また、SFA(営業支援システム)やMA(マーケティングオートメーション)などのツールを導入すれば、見込顧客の育成やアポイントの獲得も効率化されます。インサイドセールスがこのようなツールを駆使して見込管理をおこなうことで、フィールドセールスはホットな見込顧客との商談に力を注げるようになるため、成約率の向上が期待できるでしょう。

インサイドセールスで働き方改革を推進する!

従業員の価値観の多様化や新型コロナウイルスの流行によって、テレワーク・在宅勤務を導入する企業が増加しました。インサイドセールスはオンライン&非対面が基本なので、客先やオフィスに行かなくても電話やネットができる環境があれば営業活動をおこなうことができます。

インサイドセールスの導入は、新型コロナウイルスの感染拡大防止だけでなく、働き方改革を推進するうえでも効果的な取り組みだと言えるでしょう。

インサイドセールスのデメリット

インサイドセールスのデメリットとしてよく言われるのが、以下の2点です。

対面に比べ得られる情報が少ない

フィールドセールスは相手と顔を合わせて商談をするので、相手の表情やリアクションから温度感の変化などを察知しながら商談を進めていけます。一方、インサイドセールスの場合、相手の様子や感情を捉えるのが難しいケースも多々あります。また、実際に顔を合わさないため、訪問営業に比べると相手からの信頼を得るのに時間がかかります。

フィールドセールスとの連携が不可欠

インサイドセールスの役割は、フィールドセールスの成約をお膳立てすることなので、両者の連携は必須です。インサイドセールスとフィールドセールスの情報共有がうまくできていないと、見込顧客のコンディションを崩したり、信頼を失ったりする原因になりかねません。

インサイドセールスの種類

インサイドセールスは、大きく2つに分類されます。

※インサイドセールスの種類について図解

PULL型の反響型営業

別名SDR(Sales Development Representative)とも言われています。

具体的には、問い合わせしてきた顧客へ回答&説明することで自社への理解を深める、受動的な営業手法です。

こちらの顧客は、問い合わせ時点でニーズが顕在化しており、購買意欲が高いのが特徴です。

またPUSH型と違い広告活動などがないため、比較的コストも低くすみます。

こちらの営業手法では”利用開始以降でも手厚いサポートが受けられそう”という顧客の信頼や、自社製品への関心を深め、競合他社に関心が移らないようにしたり、顧客を逃がさないアプローチが重要です。

そのためには、受けた電話やメールなどの問い合わせは漏らさず対応し、受けた質問に素早く的確に答えられる技術など、顧客サポート体制の充実が求められます。

PUSH型の新規開拓型営業

こちらは反対に能動的にアプローチしていくインサイドセールスで、

別名BDR(Business Development Representative)とも呼ばれています。

問い合わせをしてきた顧客の対応をするPULL型と異なり、自分から能動的にアプローチをしていきます。

PUSH型にはさらに広告利用型、直接アプローチ型の2種類に分類されます。

広告利用型は、幅広い潜在顧客の育成が目的の広告(TVや新聞など)を利用する方法で、ほかのインサイドセールスの手法と比べ、コストが掛かるのが特徴です。

また広告を利用する場合は、定期的な資料送付や連絡など地道なアプローチをしていったり、また顧客分析が必要になるため手間がかかることが多いです。

直接アプローチ型は絞り込んだターゲットに直接電話や訪問をしていく方法です。

自社製品を認知や、購買意欲が低い顧客にアプローチするため、やり方を間違えば自社へのイメージダウンや、営業担当者への精神的負担につながることもあります。

インサイドセールスの成功事例

インサイドセールスの成功事例を2つご紹介します。

インサイドセールスの成功事例①

A社は、営業部の社員が膨大な名刺を保有していながら、営業活動に有効活用できていないことに課題を感じていました。そこで、インサイドセールス部隊を立ち上げるとともに名刺管理システムを導入して名刺情報をデータベース化し、システムに搭載されたSFA機能を活用してインサイドセールスを実施しました。見込み度の高い顧客を中心にフィールドセールスをおこなった結果、成約率が20%以上向上しました。

インサイドセールスの成功事例②

B社は、ネット広告による集客に費用対効果の悪さを感じていいたため、広告費を削減する代わりにインサイドセールス部門を増員し、新たな施策としてステップメールの配信を始めました。資料請求をしたユーザーや動画を視聴したユーザー、サイトに3回以上訪れたユーザーにそれぞれ内容の異なるメールを送信し、ユーザーの関心を高めた結果、横ばいだった月間成約数が向上していきました。

インサイドセールスの成功事例③

メイシーからの名刺画像アップロード&データ化機能や
メール配信(メルマガ)機能で、購読の母数増加、新プロジェクト促進

C社は、PRや各イベントに携わるメンバーなど、外部とのコンタクトポイントも多くいらっしゃる企業様。
常に新しいチャレンジをし続けるため、社内で名刺を共有する必要があったとのこと。
進行中のプロジェクト関係者の名刺などは手元に置いておきたい方がおられるため、共有が進んでいないという課題がありました。
そこでメイシーのアップロード機能(お客様でスキャン後、メイシー画面上からアップロード機能)をお使いいただき、名刺を社内に置いたままデータ化を実現されています。

データ化された連絡先はメイシーの社内メルマガ送付先リストに直結し、
毎月メルマガ購読の母数が増加、そこから新たなプロジェクトも生まれているとのことです。

インサイドセールスの成功事例④

メール配信機能で、インサイドセールスを促進
D社は、メイシーご利用までイベント出展後、名刺交換した取引先に迅速にアプローチできないという課題があったとのこと。
メイシーご利用開始後はイベント出展時にスキャナを持ち込んで、イベントで名刺を頂いてすぐに名刺をアップロードして頂いて迅速にデータ化されることで、この課題は解決され、さらにメール配信機能をご活用いただいているとのこと。
複数回配信可能、テンプレート作成および共有機能、メッセージ送信後のサポート機能(不着数、配信解除自動受付)同じメールアドレスに複数メールが届かない機能も気に入って頂けています。

インサイドセールスの成功事例⑤

データの登録日や名刺交換日がわかるようになり、営業前任者との連携強化
E社ではクライアント担当者が変わった場合、アナログの名刺は時間軸で管理できないため前任者がわからなくなってしまっていたとのこと。

メイシーに登録いただくと、思いついたらすぐに検索できるようになり
また名刺登録日が表示されるため、
担当者が変わっても前任者が誰でその前が誰だったか?までも
わかり、担当者管理が簡単に出来るようになり、取引先との円滑なコミニケーションに
役立っているとのことです。

インサイドセールスの成功事例⑥

メール配信機能(メルマガ)で注目サービスを配信し、入居者の売上アップ
F社は、施設の賃貸のみでなく、創業支援するソフトサービスも行なっておられる企業様。サービス上ベンチャー企業や起業家の方とお会いすることが多く、皆様の名刺をデータベース化したくてメイシーをご利用されたとのこと。

さらに、メイシーのメール配信機能(メルマガ)で入居中のサービスのトピックスや
各拠点の注目のサービスを配信すると、お客様から紹介ご希望の声も出てきて、
入居者の横の繋がりが円滑に出来、売上向上を実現されました。
非常に簡単に利用可能で、また無料で使えるメール配信機能(メルマガ)、無料で自身でっ名刺データを登録できるCSVインポート機能等を、ご活用いただいております。

インサイドセールスの4つの導入手順

インサイドセールスを導入する際の手順についてご説明します。

インサイドセールス導入手順①組織体制の構築

インサイドセールス部門を立ち上げ、人材の配置をおこないます。インサイドセールスは営業とマーケティングの中間のような立ち位置なので、営業部門やマーケティング部門から人選するのが一般的です。自社内で人材を確保できない場合やノウハウが不足している場合は、インサイドセールスの経験者採用や外注の活用も選択肢になってきます。

インサイドセールス導入手順②業務範囲の決定

営業活動は基本的に、見込顧客の発掘、育成、優先順位付け、アポイント、商談、成約という流れで進んでいきます。このプロセスをマーケティング部門、インサイドセールス部門、フィールドセールス部門で分担するため、そのなかでインサイドセールスが担うべき業務範囲を決定しなければいけません。インサイドセールスは見込顧客の育成、優先順位付け、アポイントを担当するのが一般的ですが、商材・サービスの特性や組織体制によって変わってきます。

インサイドセールス導入手順③ツール・システムの導入

インサイドセールスを効率的におこなうには、ツール・システムの導入するのが良いでしょう。インサイドセールスによく使われるツール・システムとしては、名刺管理システム、MAツール、SFA、CRM、Web会議システムなどが挙げられます。また、録音機能や文字起こし機能のある電話を導入するのもおすすめです。

インサイドセールス導入手順④シナリオの設計

見込顧客へのアプローチ方法をシナリオとして設計します。一般的に見込顧客の検討フェーズは「認知」「興味・関心」「情報収集」「比較・検討」の4段階に分けられます。見込顧客が今どの段階にいるのかを把握し、次の段階に引き上げるために必要なアクションを検討します。たとえば、情報収集段階の顧客はコラム記事へ誘導する、比較・検討段階の顧客にはキャンペーンの案内をするというイメージです。

まとめ

少子高齢化による労働力不足が進むのは避けられず、ビジネスにおいてますますインサイドセールスの重要性が高まっていくと考えられています。Withコロナ、Afterコロナの時代を企業が生き抜いていくには、変化に対応してくことが重要であり、そのためにもインサイドセールスの導入は必須の取り組みだと言えるでしょう。

インサイドセールに関連する記事はこちら