営業という仕事は多岐にわたり、「誰に対して営業するのか?」「どんな手段・形態で営業するのか?」など、様々な観点から分類することができます。今回は、営業を種類別に解説するとともに、営業職に求められるスキルなどもご紹介していきます。営業職への転職をお考えの方や、営業の全体像を把握したい方はぜひ参考にしてください。
①【顧客形態別】営業の種類とは?
営業の業務は、顧客形態の違いから「法人営業」と「個人営業」に分類することができます。
法人営業
企業・法人をターゲットにして営業活動をおこなうのが「法人営業」で、「BtoB営業」とも言われます。営業する商材は、自動車や食品、電子機器や医薬品といった有形商材のほか、人材や広告、ITシステムやコンサルティングといった無形商材まで様々です。新規顧客の開拓や既存顧客に対する情報提供、アフターフォローなどが主要な業務になります。個人営業に比べ、1件あたりの取引金額が大きいのが特徴です。
個人営業
一般消費者や家庭をターゲットにして営業活動をおこなうのが「個人営業」で、「BtoC営業」とも言われます。営業する商材は有形・無形のどちらもあり、イメージしやすいもので言えば、不動産や自動車、保険やウォーターサーバー、インターネット回線などが挙げられます。新規顧客の開拓や既存顧客に対する自社商材のセールス、アフターフォローなどが主要な業務になります。法人営業に比べると、1件あたりの取引金額が小さく、契約までの期間が短いのが特徴です。
②【営業形態別】営業の種類とは?
営業の業務は、営業形態の違いから「メーカー営業」「代理店営業」「商社営業」に分類することができます。
メーカー営業
自社で作った製品を、自ら顧客に売り込むのが「メーカー営業」です。自動車や食品、化粧品や化学素材など様々なメーカーがありますが、メーカーである以上、取り扱うのは有形商材です。一般消費者に営業するケースもないわけではありませんが、ほとんどのメーカー営業は法人営業になります。
代理店営業
自社の商材を販売してくれる代理店を開拓したり、代理店の営業を支援したりするのが「代理店営業」です。エンドユーザーに対して営業するのではなく、エンドユーザーに販売してくれそうな代理店を探すのが代理店営業の大きな特徴です。新規代理店を開拓するほか、既存代理店に商材の特徴をレクチャーしたり、販売に関するノウハウを提供したりします。また、代理店がエンドユーザーを訪問する際に同行してサポートすることもあります。
商社営業
メーカー営業が自社で作った製品を売るのに対し、メーカーが作った製品を仕入れ、仕入れ値よりも高く売ることで利益を得るのが「商社営業」です。商社営業は、様々なメーカーから製品を仕入れて営業活動をおこないます。幅広い製品を取り扱う一方で、それぞれの製品に精通しているわけではないので、営業時にメーカーの担当者が同行することもあります。
③【手法別】営業の種類とは?
営業の業務は、営業手法の違いから「新規開拓営業」「ルート営業」「反響営業」に分類することができます。
新規開拓営業
新規開拓営業とは、新しい顧客を獲得するための営業手法のことです。既存顧客を対象としたルート営業と違い、まだ取引のない顧客にアプローチするのが新規開拓営業の特徴で、一から関係性を築いていく難しさがあります。新規開拓営業に成功すると、取引先の増加による売上増が見込めるほか、既存顧客との契約が打ち切られた場合にも売上が下がるリスクを抑えられます。企業が継続的に成長していくためには、新規開拓営業が不可欠です。
ルート営業
ルート営業とは、既存顧客を定期的に訪問し、新たな契約を獲得するための営業手法のことです。新商材を紹介したり、他のニーズや課題がないかを探ったりすることで、新たな契約につなげていきます。すでに取引があり、一定の信頼関係ができている相手に売り込むのがルート営業の特徴です。クロスセルやアップセルを狙うとともに、リプレイス(競合他社に切り替えられること)を防ぐのが大きなミッションになります。
反響営業
反響営業とは、インターネットやテレビ、新聞などのメディアを通して広告宣伝をして、それに対して問い合わせをしてきた人に売り込みをする営業手法のことです。Web上から、もしくは電話で問い合わせをしてきた人を訪問し、詳細なヒアリング・プレゼンをすることで契約獲得を目指します。すでに自社商材に対して興味・関心を持っている人に対して営業するため、他の営業手法に比べて成約率が高いのが反響営業の特徴です。
④【手段別】営業の種類とは?
営業の業務は、営業する手段の違いから「フィールドセールス」と「インサイドセールス」に分類することができます。
フィールドセールス
フィールドセールスは顧客を訪問して、直接対話しながら商談を進める営業のことで「訪問営業」とも呼ばれます。アポイントを取ったうえで訪問する形のほか、アポ無しで訪問する、いわゆる「飛び込み営業」のスタイルもあります。直接会ってプレゼンできるのがフィールドセールスのメリットですが、訪問するのに時間やコストがかかるため、業務効率という面では他の手段に劣ります。
インサイドセールス
インサイドセールスとは、電話やメール、オンライン会議などのツールを使い、非対面でおこなう営業活動のことで「内勤営業」とも呼ばれます。顧客との物理的な距離を気にすることなく営業活動をすることができますが、フィールドセールスに比べると説得力に欠けがちで、成約に持ち込むのは簡単ではありません。
インサイドセールスに関しては以下の記事で詳しく解説しています。
なお、インサイドセールスは用いるツールによって「電話営業」「メール営業」「オンライン営業」などに分けられますが、コロナ禍において一気に注目されるようになったのがオンライン営業です。電話やメールに比べると伝えられる情報量が多く、コストを抑えて効率的に営業活動を進められることから、オンライン営業に力を入れる企業が増えています。
オンライン営業(オンライン商談)に関しては以下の記事で詳しく解説しています。
⑤【業界別】営業の種類とは?
営業の業務は業界で分類することができます。特徴的な業界の例として、「不動産営業」「保険・金融営業」「MR」についてご説明します。
不動産営業
不動産営業で扱うのは有形商材で、顧客は法人と個人どちらも対象になります。個人営業の場合は居住用の戸建て住宅やマンションのほか、投資用の物件などをセールスします。法人営業の場合はオフィスや工場、倉庫、施設などの物件を中心に取り扱います。売買営業か賃貸営業かによって仕事内容は大きく変わってきますし、新築物件か中古物件かによっても求められる知識・ノウハウが異なります。
保険営業
保険営業では、保険商品という無形商材を扱います。法人営業もありますが、基本的には個人営業が中心です。生命保険や自動車保険、医療保険や介護保険など、様々な種類の保険があり、取り扱う保険に関して詳しく説明できる専門的な知識が求められます。なお、保険会社に所属して自社の保険商品を売る営業職と、各社の保険商品を取り扱う保険代理店の営業職では仕事内容が大きく変わってきます。
MR
MRとは「Medical Representatives」の略で「医療情報担当者」と訳されます。製薬会社などに所属し、医療関係者に対して自社の医薬品を販売します。その意味では営業職に括られますが、他の業界の営業職とは色合いが異なります。医薬品を販売することも重要ですが、効果や副作用などの医薬品情報を提供したり、医療現場から医薬品の効果などの情報を収集して新薬の開発に活かしたりすることもMRの大切な使命です。
営業職に求められる3つのスキル
営業職には様々なスキルが求められますが、特に重要だとされているのが以下の3つのスキルです。
コミュニケーションスキル
相手に分かりやすく伝えることや、相手の話す内容を正しく理解すること、相手の意図を汲んで的確な答えをすることなど、円滑に商談を進めるうえで欠かせないのがコミュニケーションスキルです。コミュニケーションスキルによって営業パーソンの成約率は大きく変わってきます。
ヒアリングスキル
「ドリルを買う人が欲しいのは、ドリルではなく穴である」という有名な格言がありますが、顧客の本質的なニーズ・悩みを把握できなければ、営業パーソンとして最良の提案はできません。そのために欠かせないのがヒアリングです。営業パーソンには、相手の状況を把握するだけでなく、相手自身も気付いていない本質的な課題・ニーズを引き出すヒアリングスキルが求められます。
論理的思考力(ロジカルシンキング)
論理的思考力(ロジカルシンキング)とは、順序立てて考えることで結論を導き出す力のことで、特に法人営業では重視される能力です。法人は個人のように衝動買いすることはなく、その商材の価値が腹落ちしていないと契約には至りません。営業パーソンは「なぜ、この商材を購入することで課題解決につながるのか?」ということを論理立てて説明する必要があり、そのためには論理的思考力が不可欠です。
営業効率を上げるおすすめのシステム
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まとめ
ひと昔前の営業は3K(経験・勘・根性)が大事だとされていましたが、もはや時代遅れと言わざるを得ません。テクノロジーの発展とともに営業活動も急速に進化しており、SFA(営業支援システム)などを導入して業績を伸ばす企業も増えています。ぜひ、営業活動をアップデートして困難な時代を勝ち抜いていきましょう。
SFAに関しては以下の記事で詳しく解説しています。