目的と現状を把握してから名刺管理とCRM機能を活用しよう

  • 2020年12月28日
  • 2022年6月21日
  • CRM

昨今、名刺管理サービスやCRM機能を導入する企業が増えてきました。

効率的に顧客満足度を向上させ、新規顧客を獲得するためには人力だけではなく、名刺管理サービスやCRMの機能を導入することが必須といえるでしょう。

しかしながら、いくら優れたシステムを導入しても、目的と現状を把握していなければ使いこなせず「宝の持ち腐れ」といった状態になってしまいます。

名刺管理サービスやCRM機能を導入する前に、これらを有効活用するために必要な事項を確認しておきましょう。

そもそも名刺管理サービスとCRMとは

はじめに、名刺管理サービスとCRMについて説明します。システムの内容を把握して、自社の目的に合ったサービスを導入するようにしましょう。

名刺管理サービスとは
名刺交換のたびに増えていく名刺は、従来、紙のままホルダーやボックスで管理されてきました。

紙の名刺を保管するスペースや、必要なときに探す手間を省き、テキストデータで管理できるのが名刺管理サービスです。

スキャンされてクラウドに保存された名刺のデータは、社内で共有できるようになり、業務の効率化を図れます。

出先からの検索や、名刺情報から得たメールアドレスにメルマガ配信を行うことも可能。テキストデータ化された情報はCRMの他、はがき作成ソフトとも連携させることができます。

CRMとは
CRMはCustomer Relationship Managementの略で、日本語では「顧客関係管理」です。

顧客のニーズに合わせたサービスを適切なタイミングで行うために、CRMは大いに活躍します。

例えばサイト閲覧の際に、閲覧者の好みに合った関連商品が表示されるのは、CRMの機能。

CRMはSFA(Sales Force Automation、営業支援システム)と混同されることがありますが、SFAが営業業務に特化したシステムであるのに対して、CRMは全社員が利用できる顧客情報を管理するシステムです。

とはいえCRMにはSFAの機能も含むものもあります。SFAの主な機能は、商談の履歴、営業業務を通して得た顧客情報、案件の進捗管理などを記録すること。これらの情報を共有することで、担当者以外でも顧客対応がスムーズにでき、顧客への有効的なアプローチを可能にします。

CRMで管理する「顧客情報」を活用すれば、SFAを利用した場合と同等の効果を期待できるでしょう。

名刺管理サービスとCRMの違いとは
名刺管理サービスとCRMは業務の効率アップのために欠かせないシステムですが、両者の異なる点は「目的」です。

名刺管理サービスは、増えていく名刺をテキストデータ化して管理することで検索可能にし、社内での情報共有のために活用します。

CRMは顧客の情報を一括で管理し、顧客に合った適切な提案やサービスを提供するのが目的です。

2つは異なるシステムですが、名刺管理サービスの中には簡易的なCRMの機能を備えているものもありますし、CRMの機能には名刺管理が含まれています。

どちらも同じように思えてしまいますが、システム導入により果たせる「目的」をどう謳っているかが異なる点だととらえるとわかりやすいでしょう。

では、名刺管理サービスとCRM機能を活用して、どのようなビジネス展開ができるのか確認していきましょう。

顧客満足度の向上

CRMの主な機能は「名刺管理」「顧客管理」「案件管理」「マーケティング」「情報共有」です。

名刺管理サービスは、名刺の管理と同時に顧客のニーズを整理するためにも活用できます。

CRMの主要な目的は機能を活用して顧客満足度を向上させることですが、名刺管理サービスもメモ機能を活用すれば同じような成果を得られるでしょう。

CRM導入により、顧客満足度を向上可能にする項目を以下に挙げます。

顧客からの要求
顧客がどのような要求をしてきたか、どこにニーズがあるのかを管理します。これによってタイミングを逃さない提案が可能になり、新たなサービスや商品を開発するヒントにもなるでしょう。

問い合わせの管理
コールセンターやお客様問い合わせ部門に導入することにより、問い合わせが多い内容をデータ管理できます。

データの蓄積により「よくある質問」を作成し、顧客が閲覧できるようにすれば、問い合わせの減少や対応にかかる時間の節約が可能になるでしょう。

売上の向上

システムを活用して、売上を向上させるケースを見ていきましょう。

販売現場に導入
従来の営業活動は営業パーソン各々の能力に頼る傾向にありました。

CRMを販売現場に導入することにより、成績を上げていない営業パーソンに有効的な指示を出すことが可能になります。

努力やカンだけに頼る営業ではなく、データを基にしたアプローチ法を指示することで、結果につながる営業業務がこなせるようになるでしょう。

情報の共有による営業
名刺管理サービスやCRMを導入して情報を共有すれば、顧客情報が担当者にしかわからないということがなくなります。部署が違う担当者が同じ顧客に営業をするということもなくなり、顧客の不信感を買ったり失注したりすることも防げるでしょう。

また情報共有により、たとえ担当者が変わってもスムーズな引き継ぎができ、顧客を不安にさせないサービスが提供できます。

新規顧客の獲得

ビジネスを飛躍させるためには、新規顧客を獲得し続けることは欠かせません。なぜ、新規顧客獲得が重要なのか、またシステム導入によって可能になることを紹介します。

リスクの分散
ビジネス継続、リスクの分散のために、新規顧客獲得は重要なことです。

新規顧客の獲得により、既存の顧客が離脱した際に失う売上や利益のダメージを緩和することができるでしょう。

リスクの分散のためには、既存顧客を大切にしながら新規顧客の獲得に努める必要があるのです。

また、既存顧客だけとのビジネスでは、変化に対応できない体質になってしまう可能性があります。

常に時代の変化に伴うニーズの変化に気づける体制を整えておくためには、続けてきたサービスのクオリティを落とさず提供し続けること、新規顧客のニーズにこたえていくことを同時する柔軟性が求められるのです。

システム導入で顧客情報を管理し、有効的なアプローチをすることが新規顧客獲得へのステップになるでしょう。

見込み客の個人情報の把握
営業や商談を行えば、すぐに契約を結べるのなら良いのですが、簡単にいかないのが現実。

しかし1度のアプローチで諦めるのではなく、将来的に契約につながる可能性がある見込み客に対しては継続的なアプローチをしていくことが大切です。

名刺管理サービスを導入すれば、名刺交換をしただけの顧客の管理も可能になります。

顧客のニーズを探るマーケティングのために機能を活用し、顧客の興味を逃さないようなメルマガ配信をして継続的なアプローチを行うのも良いでしょう。

名刺管理サービスの中には、名刺の情報を基にしてメルマガ配信ができるものもあるので便利です。

顧客満足度の向上と契約につながる営業を目指そう

名刺管理サービスの目的は名刺を効率よく管理して社内で情報共有すること、CRMの目的は顧客満足度の向上です。

両者の大きな違いはこの目的にありますが、名刺管理サービスもCRMも、顧客満足度の向上や効率よく営業を行うために活用できます。

これらのシステム導入は今後のビジネスシーンには欠かせないことですが、まず自社が目指す目的と現状を把握してから導入することが重要といえるでしょう。

いくら優れたシステムであってもビジネスに有効活用できなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。

またシステムの操作に手間取って業務に差し支えがあるようでは、元も子もありません。

自社の現状を把握し、はじめは簡単なシステムから導入したいという場合は簡易的なCRM機能を備えている名刺管理サービスの導入を検討するのも良いでしょう。

名刺管理サービスの中にはCRMと連携できるものもあるので、状況に合わせて徐々にシステム導入していくのもおすすめです。